植物系統学Iウェブページ †
2007年度 授業コード: 科目コード:
前期・水2 単位数 :2 専門科目(生物学科) 教室 理学部大講義室
授業科目名: 植物系統学I (Phylogenetic Systematics of Plant I)
副題 : 種子植物の分類と系統
担当教員 梶田 忠
連絡先 研究室理学部3号館407号室
内線番号 2818
メールアドレス
授業概要:種子植物は陸上植物のうち地球上で最も多様化を遂げたグループである。本講義では近年、分子データの蓄積により様々な新知見が提出された種子植物の分類体系を正しく理解することを目的に、系統分類学の基本的な概念と方法論を学ぶ。
目的・目標: 植物系統学および分類学の基礎知識の習得を目的とする。植物分類学および系統学は、植物の多様性を認識して理解するための基盤である。この授業では、植物の多様性の認識に用いられている考え方と方法論を習得する。特に、我々にとって最も身近な種子植物の分類体系については、これまでの常識的認識が、分子系統学で提出されたデータによってどのような改変を迫られているかを理解する。また、植物分類学で用いられてれるさまざまな形質(形態形質、化学成分など)の違いを理解し、我々人類がこれまでに蓄積してきた、膨大なデータにアクセスする方法を学ぶ。
授業計画・授業内容: 被子植物、裸子植物、シダ類、コケ類といった植物群ごとに解説する。個々の植物群で、現在の植物群がどのように認識されているか。
- ガイダンス
- 植物系統分類学とは
- 系統分類学の基礎: 「系統」と「分類」の関係
- 分類体系とデータベース
- 被子植物
- 現在の認識:系統分類の歴史的側面
- 分類学的形質:形態学的形質、化学成分など
- 系統関係
- 裸子植物
- シダ類
- コケ類
参考書・参考ウェブサイト †
Soltis et al. 2005. Phylogeny and Evolution of Angiosperms. Sinauer †
- 被子植物の系統と進化を、APGIIシステムに基づいて論じている。本講義の前半で、被子植物の様々な形質について論じるときに参考になる。
Judd et al. 2002. Plant Systematics - A Phylogenetic Approach - 2nd ed. Sinauer. †
- 植物の分類体系を系統関係に基づいて論じている。内容は学部レベルの教科書として適しているが、英語で書かれているので、参考書とした。→出版社のページ
- 種子植物の分類を、最新の系統関係に基づいてウェブ上にまとめたもの。写真や分類情報のリンクもしっかりしており、用語や形質の解説も詳しい。研究者の利用にもたえるレベル。講義で学んだことをさらに詳しく調べるのなら、このサイトを訪れるとよい。
- 系統関係に基づいて分類群を命名するためのルールをまとめたサイト。種と系統樹のクレードに名前を与える規則について説明されている。授業で扱った内容は、主に序文と前文書かれている。
戸部博. 1994. 「植物自然史」 朝倉書店 †
- 陸上植物の起源から多様化についてコンパクトにまとめられている。
- 現行の植物分類学で、分類群に名前を与える規則について書かれている。階層的なランクに従って生物群に名前を与える。最新版の日本語訳が日本植物分類学会から出版されている。
- 菌類、藻類、陸上植物について、植物系統学の2004年時点での「今」が概観されている。
<複数回にわたるテーマもある>
- 授業は主にデジタルプロジェクタを用いて行う。
- 授業に関する意見、質問などは研究室訪問や電子メール等で受け付ける。