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前回課題の総評:

前回のおさらい:Excelによるグラフ作成 :課題データを用いて

WinShotのインストール

 前回トピックスで紹介したWinShotはパソコン画面の保存・印刷等を行うことができる、とても便利なスクリーンキャプチャソフト。ウェブページからの画像の取り込みや、モニタに表示されている情報をそのまま画像として扱えるので、とても便利です。下のURLからダウンロードして、インストールして下さい。
http://www.woodybells.com/winshot.html

Wordの使い方あれこれ

 アンケート調査で分かったように、Wordの使い方を多くの人が知りたいと思っています。これは、恐らく、レポートを提出を意識しているのでしょう。でも、

 Wordのいろんな機能が使えても、良いレポートが書けるわけではない

 レポート作成や論文作成には、データを収集、分析して、それを言葉で他人に伝えるといういろんな作業が含まれています。たかがワープロという道具が使えるようになったって、良いレポートが書ける訳がありません。

 でも、ワープロを使えば、きれいに印刷できます。読みにくい手書きの原稿よりも、採点者に自分の意見を伝えやすいでしょう。ここではレポート作成のケーススタディを考えて、ワープロを使って採点者に自分の意見を伝えやすくする方法を、少し解説してみます。

レポート作成のポイント

まずは、Word以前の問題:例を使って考えてみよう

伝えたいメッセージ(主張)が無ければ、良いレポートなんて書けやしない

 例えば、

クジラは他の陸生ほ乳類のどのグループに近縁であるかについて、A4 5ページ以内のレポートを作成しなさい
というレポート課題が、「進化生物学入門」というコア授業で出されたとする~

(注:あくまでもこういうレポート作成方法もあるよという、1つの例です。こうしなさいというわけでは無いからね)

 たいていの場合、自分は課題の内容について、予備知識をそれほど持っていない。そこで、このレポートを仕上げるために、どういう作業工程が効率的かを考えると、

  1. 本を読んだり、ウェブ検索をしたりして、自分がそのレポートで主張したいメッセージを考える

     あるいは、同様の方法で、採点者がどういうメッセージを欲しがっているかを考える

最初に表示されるのはまさしく、「クジラ類と偶蹄類の系統解析」というページ。「しめしめ日本語で書かれたページがあったのだから、この内容をコピペして提出しよう。。。」なんていうのはダメ。ここでやることは、自分がレポートで主張する内容を一言で表すこと。今のページを読んでみると、「クジラと偶蹄目の系統関係は議論の的だったのだけど、レトロポゾンを使った系統解析でクジラは偶蹄目のクレードに含まれ、カバと近縁であることが分かった」と書いてある。「これでいけるじゃん」と思ったのなら、自分の主張したいメッセージを「クジラはカバに近縁だった」とする。

  1. 誰が聞いても納得してくれるように、自分の主張を筋道立てて相手に伝えられるよう、話しの流れを作る
    • Web上の読み物や、レビューや、教科書から、自分でストーリーを作る。伝えたいメッセージは上で決めたのだから、そのメッセージを聞いた人が「なるほど」とか「へぇー」と思うように、論理を展開する
    • ストーリー作りに必要な拠とその他の資料は、後で使えるように整理しておく
    • 話しの流れの例をいくつか:
  1. 自分の主張を裏付ける重要な証拠を集める
    • 証拠の例をいくつか:
という、それぞれの項目について証拠が必要

証拠は、自然科学関係のレポートの場合、原著論文が最も良い。でも、英語を読むのは大変だったら、正しいことを書いてある(と判断できる)日本語の教科書で引用している事実を、「孫引き」したくなるかもしれない。あまりお勧めしないし、日本語で書かれた教科書で引用された原著論文が正しいと判断できないと、自分のストーリー展開の証拠には使えない。でも、その引用が事実を引用しているものであり、正しい方法で引用されている場合、「孫引き」であることを第三者が判断するのは、けっこう難しい。(だからと言って孫引きせよと勧めているわけじゃないからね)。

証拠の示し方は、文章の後に引用文献を明示したり、図表の番号を引用したりする。

これまでの化石データを用いた研究で、偶蹄目は単系統群であり、
鯨はその姉妹群であることが示唆されてきた(Xxxx 19xx, 図1)。
〔このとき、Xxxx 19xx というのは、偶蹄目が単系統でクジラがその姉妹群であることを
  主張した論文。図1はそこから引用した図(図のキャプションでも引用を明示すること)〕

レポートの書き方、参考書

以前も紹介しましたが、下の本は、レポートを書くということについて、具体的に分かりやすくまとめられています。

&ref(): File not found: "CV098.jpg" at page "授業/H20/情報処理/06";

戸田山 和久. 論文の教室—レポートから卒論まで. 297ページ. 出版社: 日本放送出版協会 (2002/11)

Wordを使ったレポート作成【p.87-102参照】

あなたのメッセージを分かりやすく相手に伝えるために、Wordを使ってできる限りのことをしよう

採点者は、たくさんのレポートに目を通さなければなりません。そんなとき、自分の主張をわかってもらおうという態度が、他の人とは明らかに異なるレポートがあると、やはり加点の対象になります。今回の予習課題でも、ほとんどの人がレポート形式で提出していないのに、一人だけきちっとした形式で出した人がいると、やはり加点してしまいました(下図)。どんなレポートが読みやすいか分からないという人は、次のような点に気をつければよいでしょう。

  1. とりあえず、Wordを起動する
  2. 長いレポートなら、表紙を作る
    • 千葉大のホームページから、千葉大のロゴマークをコピーして、表紙に貼ってみよう
    • タイトル、学籍番号、氏名、提出日を入力
    • メニューバーの「挿入/改ページ」で、文書の最後にページ区切りを挿入
    • タイトル関係の文字を選択し、センタリング(中央揃え)
    • 学籍番号等の情報を選択し、ルーラーで右寄せ
  3. 本文に文章を書き込む
    • 長くなる場合は、「要旨(摘要)、本論、結論、引用文献」とか、「要旨、序論、材料と方法、結果、考察、引用文献」とか、最初に構成を決めておくと書きやすくなる
    • メニューバーの「表示/ヘッダー・フッター」でフッターに頁番号を入れる
      • ツールバーの「#」をクリックすると頁番号が入る
      • 「頁番号の書式指定」を選んで、「1ページだけ別指定」、「開始番号」を0にする
      • 文字の大きさや書体を見やすいように整える
  4. 表の作成は罫線ツールバーで楽にできる
  5. 図の作成は描画ツールバー
  6. 証拠には論文から図をとってくることもよくある
    • ◎WinShotを使った図の切り取りと貼り付け
    • クジラとカバに近縁であることを示した論文を見る。Nikaido et al,1999, PNAS
    • クジラとカバの関係を示した系統樹を表示させる
    • デスクトップに移動し、WinShotを起動
    • クジラとカバの系統樹に戻り、画面右下のタスクトレイに入っているWinShotアイコンを右クリック。クリップボードにコピー/矩形選択を選ぶ
      • クリップボードは画像や文字データを一時的に保存しておく場所。コピーされたり、切り取られたデータはクリップボードに置かれる
    • 画面から切り取りたい部分をマウスのドラッグで選択し、最後にクリック。これで画像がコピーされた
    • Wordの書類に行きペースト
    • 画像を右クリックし、レイアウトで、文字と画像の関係(背面、全面、回り込みなど)を調整する
    • 図には必ず番号とレジェンド(説明)をつける。引用もとも明示する。
  7. 引用文献はおろそかにしないこと
    • レポートの中で、他人の意見と自分の意見を区別するのはとても大切です。他人の意見(つまり、そういう意見があるという事実)は、文章の後の()内に文献を引用しておくことで、その意見がいつ、誰が、どの雑誌に発表した意見であるかを示すことができます。つまり、文献引用は、そういうことが言われた事実であるということの証拠になっているです。レポートの場合は、そういう、文献データ(事実)の積み重ねから、なんらかの結論を導き出し、自分の意見として提出することが求められています。

ツールバーのカスタマイズ

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 自分がつかいやすいように、よくつかう機能だけをまとめてツールバーを作っておく。

プロジェクト関係の相談

 前回、プロジェクトごとの班分けとテーマ決定をお願いしておきました。この授業で、各班のテーマ、メンバー、リーダー(連絡担当者)を教えてください。各プロジェクトごとに企画書を作成して提出してもらいます。

第6回授業の課題

課題2. 復習

内容: WinShotで切り取った画像にWordでキャプションをつけて、さらにもう一度WinShotで切り取ってJPEG形式でセーブし、自分のウェブページに貼り付ける。

課題3.予習 班ごとのプロジェクトの相談と企画書の提出

  1. 今日の授業でテーマごとに班分けをしもらいました(各班5名を目安。多すぎる場合は2つに分割)。
  2. 代表者を1名も決めて貰っているはずです
  3. 班ごとに、次の項目を相談して、プロジェクトの企画書をMSWordで作成し、梶田まで添付書類で提出してください。
  4. 企画書に含む項目:
    • プロジェクトタイトル:
    • メンバーの氏名
    • プロジェクトの概要(100文字以上)
    • プロジェクトの魅力(100文字以上)
  5. Wordの機能を使って指定すべき書式
    • タイトル、見出し、内容はそれぞれ読み手に分かりやすいよう、書式(文字の大きさ、書体など)に配慮してください。