前回の課題は、厚生労働省統計表データベースシステムで公開されている、「1C 上巻 死亡 第5.12表_ 死因年次推移分類別にみた性別死亡数・率(人口10万対)」の表から1986年以降の男女別死亡数のみ抜粋した表(2008_情報#05課題.xls)を使って次の操作を行うことだった。ほぼ全員ができていたが、アンケートの中でも集計にまだ不安があるという人がいたので、1つ1つについておさらいをする。
この説明はもう聞く必要がないという人は、次の正規表現のところを読んで、練習問題をやっておいて欲しい。
これまでに基本的な正規表現の使い方をマスターした。今日は1つ上のレベルの正規表現「後方参照」にチャレンジしてみよう。K2Editorのヘルプで後方参照に関する項目を見てみると、次のように書かれている。
後方参照 正規表現の中で()を使ってグループ化された部分にマッチ文字列は、 \1,\2などの表現で、 再度正規表現の中に埋め込むことが可能です。 \の後ろに続く数字は、何番目のグルーピングされた文字列かを示します。 たとえば、(\w+)[ ]+\1 は "ABC ABC"や"ppp ppp"に対してマッチしますが、 "ABC ppp"にはマッチしません。 \の後ろに続く数字には制限はありません。ただし、1〜9までは常に後方参照と解されますが、 \10以降は、その後方参照に対応するグループがない場合は、8進数のコントロール文字と 解されますので注意が必要です。 また、本当に一桁の8進数のコントロール文字を書く場合には、 \001などという風に書きましょう。 (K2Editorのヘルプファイルから後方参照の部分を抜粋)
ちょっと分かりにくいかも知れないが、半角の
()
の中で指定したパターンにマッチした文字列を、
¥1
などという記号を使うことで、呼び出すことができるということだ。
次のような例を使って考えると、理解しやすいかもしれない。
K2Editorで実際に試してみよう
テキストデータ A9JA49K6 ・AかKの次の1文字を削除 検索文字列 ([AK]). 置換文字列 ¥1 ・Aに続く1文字とAの順序入れ替え 検索文字列 (A)(.) 置換文字列 ¥2¥1
下はある人たちの誕生日のリストが月、日、年の順で書かれている。
April 29, 1984 March 20, 1987 September 23, 1980 December 23, 1982 February 11, 1984 January 1, 1999 May 3, 1988 May 4, 1993 May 5, 1987 November 23, 1985 November 3, 1994
最初のアンケート調査でも多くの人がWordの使い方を知りたいと思っていた。MS Wordは現実的にパソコン上で動くワープロの標準ソフトになっているし、多くの人は、レポート作成を意識してのことだろう。でも、
Wordを使えるようになったからといって、良いレポートが書けるわけではない
レポート作成や論文作成には、データを収集、分析して、それを言葉で他人に伝えるという、複雑な作業が含まれている。。たかがワープロという道具が使えるようになったって、良いレポートが書ける訳では無い。
しかし、ワープロを使えば、レポートの見栄えをきれいに仕上げて印刷できるのも事実。読みにくい手書きの原稿よりも、見栄えよく読みやすいレポートにする方が、自分の意見を人に伝えやすいだろう。
そこで、この授業ではレポート作成を例にして、ワープロを使って文書で自分の意見を伝える方法を解説してみる。
伝えたいメッセージ(主張)が無ければ、良いレポートなんて書けやしない
クジラは他の陸生ほ乳類のどのグループに近縁であるかについて、A4 5ページ以内のレポートを作成しなさい というレポート課題が、「進化生物学入門」というコア授業で出されたとする~(注:あくまでもこういうレポート作成方法もあるよという、1つの例です。こうしなさいというわけでは無いからね)
たいていの場合、自分は課題の内容について、予備知識をそれほど持っていない。そこで、このレポートを仕上げるために、どういう作業工程が効率的かを考えると、
あるいは、同様の方法で、採点者がどういうメッセージを欲しがっているかを考える
最初に表示されるのはまさしく、「クジラ類と偶蹄類の系統解析」というページ。「しめしめ日本語で書かれたページがあったのだから、この内容をコピペして提出しよう。。。」なんていうのはダメ。ここでやることは、自分がレポートで主張する内容を一言で表すこと。今のページを読んでみると、「クジラと偶蹄目の系統関係は議論の的だったのだけど、レトロポゾンを使った系統解析でクジラは偶蹄目のクレードに含まれ、カバと近縁であることが分かった」と書いてある。「これでいけるじゃん」と思ったのなら、自分の主張したいメッセージを「クジラはカバに近縁だった」とする。
たとえば、「クジラはカバに近縁だった」というメッセージを自分が主張すると決めた でも、「そんなのどうだっていいじゃん」と思われるようではダメ。「クジラがカバ」に近縁であることが どうして問題になっており、それがどうやって解決されたかということを考える
このとき、先ほどGoogle検索でヒットした「クジラ類と偶蹄類の系統解析」というページをそのままコピーして、「ハイ、できました」ではダメ。そのページは、研究した本人のページであり、一般向けに証拠をはしょって書いてあるためレポートには不向き。ではどうするか。
大切なのは、「自分のストーリーで人を納得させられるもの」を作ること。Google検索結果からのコピペはダメだけど、書いてある内容が事実ならば、話しの流れも事実のはず(書いた人が間違ってなければね..)。
ウェブページや教科書を読んで、自分のメッセージを主張するのに相応しいストーリーを考える ウェブページやレビューに書かれた内容が事実なら、自分がそのストーリーで主張しても、パクリではなく、事実の主張
(でも、ウェブページとかには間違いも多いので注意)
上の例だと、「クジラ類と偶蹄類の系統解析」に書かれている内容は事実であると判断して クジラ類の系統関係はよく分かっていなかった →化石証拠から偶蹄類に近いということが分かってきた →塩基配列を用いた分子系統解析は、用いるサンプルや遺伝子、解析方法で異なる結果を提出した →レトロポゾンの利用で、クジラは偶蹄類のクレードに含まれ、さらに、カバに近縁であることが分かった、 また、同様の結果を示唆する化石データも得られた というストーリーを作った
証拠は、自然科学関係のレポートの場合、原著論文が最も良い。でも、英語を読むのは大変だったら、正しいことを書いてある(と判断できる)日本語の教科書で引用している事実を、「孫引き」したくなるかもしれない。あまりお勧めしないし、日本語で書かれた教科書で引用された原著論文が正しいと判断できないと、自分のストーリー展開の証拠には使えない。でも、その引用が事実を引用しているものであり、正しい方法で引用されている場合、「孫引き」であることを第三者が判断するのは、けっこう難しい。(だからと言って孫引きせよと勧めているわけじゃないからね)。
証拠の示し方は、文章の後に引用文献を明示したり、図表の番号を引用したりする。
これまでの化石データを用いた研究で、偶蹄目は単系統群であり、 鯨はその姉妹群であることが示唆されてきた(Xxxx 19xx, 図1)。 〔このとき、Xxxx 19xx というのは、偶蹄目が単系統でクジラがその姉妹群であることを 主張した論文。図1はそこから引用した図(図のキャプションでも引用を明示すること)〕
以前も紹介しましたが、下の本は、レポートを書くということについて、具体的に分かりやすくまとめられています。
戸田山 和久. 論文の教室—レポートから卒論まで. 297ページ. 出版社: 日本放送出版協会 (2002/11)
WinShotというソフトウェアをダウンロードして、インストールしておこう。パソコン画面の保存・印刷等を行うことができる、とても便利なスクリーンキャプチャソフト。ウェブページからの画像の取り込みや、モニタに表示されている情報をそのまま画像として扱えるので、レポートの中に画像を添付したいときなど、とても便利。下のURLからダウンロードして、インストール。
http://www.woodybells.com/winshot.html
あなたのメッセージを分かりやすく相手に伝えるために、Wordを使ってできる限りのことをしよう
採点者は、たくさんのレポートに目を通さなければなりません。そんなとき、自分の主張をわかってもらおうという態度が、他の人とは明らかに異なるレポートがあると、やはり加点の対象になります。今回の予習課題でも、ほとんどの人がレポート形式で提出していないのに、一人だけきちっとした形式で出した人がいると、やはり加点してしまいました(下図)。どんなレポートが読みやすいか分からないという人は、次のような点に気をつければよいでしょう。
前回はかなり急ぎ足でWordによる文書作成の説明をしました。実際の操作は少なく、説明中心の授業でした。Wordはたぶん、もっともよく使うアプリケーションの一つですし、使っているうちに慣れるので、あまり詳しい説明は必要無いかもと思うのですが、後半部分が分からなかったという意見や、実際の操作がわかりにくかったという意見、実例を使って解説して欲しいという意見もありました。今日の授業では実際にいくつか一緒に操作を行いつつ、補足説明をします。
エクセルでも説明しましたが、よく使う項目をツールバーにまとめておくと、操作が非常に楽になります。これから一緒に文書作成の操作をしてゆきますが、まず、ツールバーによく使う項目をまとめておきましょう。
行頭の英文字が勝手に大文字になったり、箇条書きリストを作ると勝手に番号がついたりする。オートコレクトなどの機能はデフォルトでオンになっているので、必要がなければオフにしておく。
ほとんどの機能は、メニューバーか、右クリックメニュー(コンテキストメニュー)に入っています
植物分類野外実習レポート 07s4099 東浪見花子 2007年5月31日
はじめに 目次 1.実習場所と実施日 2.観察植物リスト ・リストの作成方法 ・作成したリスト 3.注目した植物の観察結果 1. 2. おわりに 参考文献
トウゲシバ ハチジョウベニシダ ベニシダ スギナ ソテツ イチョウ ドクダミ オニグルミ ハンノキ
Lycopodiaceae ヒカゲノカズラ科 Huperzia serrata (Thunb.) Trevis. トウゲシバ 広義 Equisetaceae トクサ科 Equisetum arvense L. スギナ 標準 Dryopteridaceae オシダ科 Dryopteris caudipinna Nakai ハチジョウベニシダ 標準 Dryopteris erythrosora (D.C.Eaton) Kuntze ベニシダ 標準 Ginkgoaceae イチョウ科 Ginkgo biloba L. イチョウ 標準 Cycadaceae ソテツ科 Cycas revoluta Thunb. ソテツ 標準 Juglandaceae クルミ科 Juglans mandshurica Maxim. var. sieboldiana (Maxim.) Makino オニグルミ 標準 Betulaceae カバノキ科 Alnus japonica (Thunb.) Steud. ハンノキ 標準 Saururaceae ドクダミ科 Houttuynia cordata Thunb. ドクダミ 標準
もしも、
科名(和名) | 科名(学名) | 種名(和名) | 種名(学名) |
ヒカゲノカズラ科 | Lycopodiaceae | トウゲシバ | Huperzia serrata (Thunb.) Trevis. |
・科名と種名が2行になっているので1行にする 検索文字: 科¥n 置換文字: 科¥t (科の後の改行を削除してタブに変換) ・項目毎に全角のスペース「 」で区切られているので、全てタブに変換 検索文字: (←このに全角のスペースが1つ入っている) 置換文字: ¥t ・データの間に1行余分な空白行があるので削除 検索文字: ¥n¥n 置換文字: ¥n
Dryopteridaceae オシダ科 Dryopteris caudipinna Nakai ハチジョウベニシダ Dryopteris erythrosora (D.C.Eaton) Kuntze ベニシダ (←このデータ全体を 右に2カラム移動)
シダ植物 | ||||
1 | ヒカゲノカズラ科 | Lycopodiaceae | トウゲシバ | Huperzia serrata (Thunb.) Trevis. |
2 | トクサ科 | Equisetaceae | スギナ | Equisetum arvense L. |
3 | オシダ科 | Dryopteridaceae | ハチジョウベニシダ | Dryopteris caudipinna Nakai |
4 | オシダ科 | Dryopteridaceae | ベニシダ | Dryopteris erythrosora (D.C.Eaton) Kuntze |
裸子植物 | ||||
5 | イチョウ科 | Ginkgoaceae | イチョウ | Ginkgo biloba L. |
6 | ソテツ科 | Cycadaceae | ソテツ | Cycas revoluta Thunb. |
被子植物 | ||||
7 | クルミ科 | Juglandaceae | オニグルミ | Juglans mandshurica Maxim. var. sieboldiana (Maxim.) Makino |
8 | カバノキ科 | Betulaceae | ハンノキ | Alnus japonica (Thunb.) Steud. |
9 | ドクダミ科 | Saururaceae | ドクダミ | Houttuynia cordata Thunb. |
このレポートの例では、自分で観察した結果を、写真付き解説文にして提出することが求められている。こういう場合も、Winshotを利用してワードに画像を添付して、解説文を書くのが便利(下の例)。
&ref(): File not found: "Untitled-7.gif" at page "授業/H20/情報処理/06";
図の大きさを変えるときには、Shiftキーを押しながら図の4角の白四角をドラッグすると、 縦横の比率が保たれたまま図を拡大・縮小できる
前回、プロジェクトごとの班分けとテーマ決定をお願いしておきました。この授業で、各班のテーマ、メンバー、リーダー(連絡担当者)を教えてください。各プロジェクトごとに企画書を作成して提出してもらいます。
内容: WinShotで切り取った画像にWordでキャプションをつけて、さらにもう一度WinShotで切り取ってJPEG形式でセーブし、自分のウェブページに貼り付ける。
**課題2という見出しを付け(上の囲みの中の文字をコピーしてそのまま貼り付けるだけです)、その下に
&ref(./自分のID.JPG);と記入して「ページを更新」すること(&ref(): The style ref(filename,pagename) is ambiguous and become obsolete. Please try ref(pagename/filename);)
**課題2 ←見出しのつけ方 &ref(./07s4099.JPG); ←ページへの書き込み方