編集中: Wordを使ったレポート作成:

第5回授業の獲得目標: [worried]

今日の正規表現

「Wordのいろんな機能が覚えられない」という方へ

この情報授業でWord、Excel, Power Pointの解説をすると、毎年多くの学生が、

「機能がたくさんありすぎて、やり方を覚えられない」

という悩みを持つよう。でも、大丈夫。

機能の全てを覚える必要は無い

これらのソフトをほぼ毎日使っている私も、機能を全部理解してないし、覚えていません。必要なのは、

「こんなことができる」というのを知っておくこと
そうすれば、必要なときに、やり方を調べて対処できる

ということ。目次の作成や、ページ番号、図形の作成にしても、ネットで方法を検索すると、初心者向け解説がたくさん見つかる。 そうやって作業しているうちに、こういうソフトの操作に慣れるので、あまり心配しないように。

あえて太字で繰り返すが、
この授業で習ったことの全てを今すぐ自分でできなくってもかまわない
「授業で習ったようやれば、こんなことができるはずだ」
「こういうことはコンピュータにやらせれば簡単にできるはずなので調べてみよう」
そういう理解を持って貰うだけでも十分です。授業中の演習がこなせていれば、良しとしましょう。

Wordを使ってできる「読みやすい」レポート

ポイント: あなたのメッセージを分かりやすく相手に伝えるために、Wordを使ってできる限りのことをしよう

上で述べたようなレポートについての諸注意は、各自でよく考えて、十分にトレーニングする必要がある。申し訳無いけれど、この授業でこれといった即効性のあるテクニックは教えられない。でも、ワードを使って可能な限り読みやすいレポートを作り、採点者による減点を減らす努力はできるだろう。採点者は、たくさんのレポートに目を通さなければならない。そんなとき、読みにくいレポート(例えば、判読しがたい字で書き殴ったようなレポート)があると、減点をしたくなるのは当然だろう。

では、レポート作成のサンプルファイルとして、&ref(): File not found: "report_example.docx" at page "授業/H25/情報処理/05";をダウンロードしよう。

演習:&ref(): File not found: "report_example.docx" at page "授業/H25/情報処理/05";を真似たレポートを作ってみよう

  1. 図の作成は「挿入」タブから図形ツールで
    • □や○などの基本図形や矢印、吹き出しなども自由に作成できる
    • いろんな図を利用できる → Power Pointの作業と共通する部分が多いので、次週解説。

Wordを使った文書作成に習熟する [smile]

Wordはさまざまな機能を持っている。上ではレポート作成に必要なごく一部の機能だけを紹介したが、さらに、卒業論文の作成などで便利な機能もいくつか紹介しておこう。

テンプレートを用いたレポート作成

レポート等の文書を作成する場合、読みやすさを求めるには、フォントの種類や大きさを変えたり、行間を整えたり、いろんな手間が必要になる。しかし、こういった作業を何度も繰り返してやるのは面倒。そこで、自分専用テンプレート(ひな形)を1つ作っておく。そうすれば、今後のレポート作成のときには、ひな形に合わせて内容を書き換えるだけで、見栄えのいいレポートができることになる。
右のリンクから、レポート作成のためのテンプレートをmoodleページにアップロードしておいたので参考にして欲しい(ダウンロード)。
このファイルを開くと、レポートで使われる様々な書式設定の見本と解説が載っているのが分かる。説明を読みながら、自分用に内容を変更すれば、自分だけのためのレポート用のテンプレートが作成できることになる。
授業では全てを解説している時間は無いので、いくつかの項目を抜き出して解説する。残りは自分で読んで、いろいろと変更して、機能を体験して欲しい。

スタイルの変更:

Wordの文書では、要素ごとにスタイルが設定することができる。この場合、基本のスタイルを変更すれば、そのスタイルが適用されている部分の書式を一度に変更できる。

Word以前の問題: レポートにはメッセージが不可欠

Wordを使えるようになったからといって、良いレポートが書けるわけではない
伝えたいメッセージ(主張)が無ければ、良いレポートなんて書けやしない

下の本は、レポートを書くということについて、具体的に分かりやすくまとめられている。

CV098.jpg

自分の考えを文章で表現することは研究者に不可欠

なぜなら、研究者は物事を、とことんつきつめて考える人だから。
今年の1年生にも、将来、研究者になることを志望している人が多い。そこで、研究者を目指す学生が、修士2年の春に直面する、「学振DC」申請を紹介し、研究者になるために必要な「考えること」やアイデアプロセッシングや文書作成にかんする技術的なことも紹介しておこう。。
日本学術振興会特別研究員ホームページ:http://www.jsps.go.jp/j-pd/index.html
日本学術振興会特別研究員DC(略して「学振DC」)というのは、研究者の養成・確保を目的として、我が国トップクラスの優れた若手研究者に対して、自由な発想のもとに主体的に研究課題等を選びながら研究に専念する機会を与える制度。もし学振DCに選ばれると、

博士課程の3年間、月額200,000円の研究奨励金と、年間150万円以内の研究費が支給される

という、非常に有り難い制度。平成23年度の生物学分野の場合、申請者数367(DC1)に対して、84人(22.9%)が採用されていまる。しかも、博士1年からの採用(DC1という)への申請者は、それほど発表論文の本数(業績と言う)が多くないので、申請書のできが、審査に大きく影響する。

申請書のリンクを下にはっておいたので、ダウンロードして見てみよう。
特別研究員DC:申請用の様式(Word):http://www.jsps.go.jp/j-pd/data/shinsei/02_dc.doc


かなりの内容を分かりやすく、MS Wordを用いて書かなければならない。生物分野では無いが、実際にDC1に採用された人の申請書がネット上に公開されているので、見てみよう。
http://www.mibel.cs.tsukuba.ac.jp/~ceekz/dc1/dc1.pdf
  (申請者本人のウェブページ:http://www.mibel.cs.tsukuba.ac.jp/~ceekz/dc1/

こういう申請書を作成するときには、自分のアイデアを論理的に、分かりやすく説明できることが不可欠だ。そして、そういう能力(論理的説明能力や、文章作成能力)というのは、一朝一夕には身につかない。研究者を目指す皆さんは、今からちょうど5年後のM2の春には学振申請が待っていることを目標に定めて、今から、論理的説明能力や文章作成能力を磨いておくといいだろう。申請書の作成には、この授業で習う図の貼り付けや模式図の作成方法も必要だ。

また、学振特別研究員を狙うなら、論文(雑誌に発表された論文)はある方が有利だろう。moodleのページに実際の投稿論文で使われたWordファイル(新村さんの論文)を添付しておいたので、見てみよう。このファイルでは、投稿先の論文が指定するスタイルが使われている。
「論理的説明」ということに関しては、最近読んだ本:「論理的に説明する技術 説得力をアップする効果的なトレーニング法とは (サイエンス・アイ新書) 」は説明が分かりやすく書かれているし、イラストも多用されている。そもそも「論理的説明ってどういうこと?」というところから知りたい人にはお勧めだろう。
その他、学振申請や、論理的説明能力についてさらに知りたい人は、私やキャリア担当の教員に尋ねてください。

マインドマップによるアイデアプロセッシング [smile]

初回の講義で、この授業で学ぶことをマインドマップで提示したのを覚えているだろうか?

マインドマップというのはとても便利なもので、文章を長々と読んだり、あちこちのページを見たりしなくても、アイデアを視覚的に、一目で理解できる。つまり、分かりやすいマインドマップを書ければ、レポートや論文や学振申請書で求められている、分かりやすい説明をする助けになるわけだ。
そこで、皆さんが今後、レポートや卒業論文を書いたり、何かアイデアを振り絞らなければならないとき、考えをまとめたいときの手助けになる情報処理技術として、マインドマップの使い方を紹介しておこう。

マインドマップ・もともとは手描き

マインドマップは思考整理のための便利ツールで、アイデアの関係を視覚的に整理できるし、自分の思考を広げるにも役立つ。もともとパソコンは必要無く、紙と色鉛筆さえあれば大丈夫。実際のところ、最初にアイデアをまとめるときには、紙と鉛筆を使う方が、発想が自由に広がって良いかもしれない。簡単な作例が右のリンク先で紹介されているので、見てみよう。 → マインドマップの描き方
簡単にまとめてみると、

パソコンで作成すると、Wordで使えるアウトラインとして出力できる

では、パソコンを使ってマインドマップを作ることの利点は何かというと、

パソコンでは以下の2つのフリーソフトが有名:
見た目のきれいさをもとめるなら、XMindの方が良い。思いついた事をどんどん入力することと、他のソフトとデータをやりとりするにはFreeMindが良い。

しかし、残念ながら、この2つのソフトは大学のパソコンにはインストールできない。そこで、この授業では、ウェブブラウザからマインドマップを作成できるmindomoを使って、マインドマップ作成を体験してみよう。→Mindomoへのリンク
上のリンクにアクセスして、サインアップ(氏名、メールアドレス、パスワードを入力)して登録すると、無料で3つのマップの作成・保存できる。
これで試してみて、マインドマップが気に入ったなら、自分のパソコンに上で紹介したFreeMindやXMindをインストールすると良い。

Mindomoを用いたマインドマップ作成練習

下のどれかのテーマを選んで、自分でマインドマップを作ってみる。授業では、最初の例を使ってマインドマップを作る過程を、紹介する。