今回、トピックはお休みです。
第5回授業アンケートの結果をみると、前回のエクセルを使ったグラフ作成の授業は、全般的に難しかったようで、分からなかった人もいたよう(一方で、進み方が遅いという人も数人いた:集計結果ページを見ながら解説)。今回は、エクセルを用いたグラフ作成の方法をもう一度練習し、次のワードの利用法に進む。
今回も前回までの授業の復習の部分が多くなります。授業の進み方が遅いと感じ、授業中ヒマをもてあましてしまった人は、第5回授業のおまけに載っているデータを、集計したり、計算したりして、土谷先生の授業で習ったようなグラフを作成してください。作成したグラフは、今回のレポート提出ページに次の要領で提出してください。採点して、最終的に成績をつけるときの加点対象とします
Word PowerPoint DataBase Satatistics Programming 平均順位 2.64 2.50 3.25 3.36 2.83
この授業で目指しているのは、異なるアプリケーションの間でデータをやりとりして、目的を容易に達成しようというもの。次の操作を目的とステップをハッキリさせて、1つ1つ追っかけてみよう。
ウェブページ(やPDF)に載っている数値データ(テキスト)からグラフを作りたい
手順: 1. ブラウザ(FireFox)でデータを表示させてコピー 2. K2Editorにペーストし、区切り文字をタブに正規表現検索・置換 3. Excelにペーストし、集計 4. Excelでグラフ作成
Word PowerPoint DataBase Satatistics Programming 3 4 1 2 5 5 3 4 2 1 .. .. .. .. .. 3 4 1 5 2 5 4 3 2 1
検索文字列 +(解説:左に書いてあるのは半角スペース1つと、半角の+) 置換文字列 ¥t(解説:もうおなじみのタブを表す正規表現)
目的にしている集計表は、
Word PowerPoint DataBase Satatistics Programming 1位にした人の数 ... ... ... ... ... 2位にした人の数 ... ... ... ... ... 3位にした人の数 ... ... ... ... ... 4位にした人の数 ... ... ... ... ... 5位にした人の数 ... ... ... ... ...こんな感じ。そこで、各項目(WordとかPowerPoint)でそれぞれの順位にした人が何人いるか、集計する。
ここで注意:
集計する前に、項目ごとに並び替え(ソート)しよう!
注:(上の操作のどこかでつまずいたら、希望集計.xlsをダウンロードして使うこと)
Wordのカラムに従って、前データが並び替えられた
Wordの入っていカラムを選択("Word"と書かれたセルから、その列の最後の値("1")まで)
グループの基準: Word 集計の方法: データの個数 集計するフィールド: Wordにして「OK」
Word 1 データの個数 7 2 データの個数 14 3 データの個数 2 4 データの個数 6 5 データの個数 6
(注:全てエクセル上で操作することは可能だが、ここではK2Editorをテキストデータの一時的な置き場所として利用する)
Word PowerPoint DataBase Satatistics Programming 1位にした人の数 7 8 3 3 14 2位にした人の数 14 13 0 6 2 3位にした人の数 2 4 17 8 4 4位にした人の数 6 6 12 8 3 5位にした人の数 6 4 3 10 12
前回トピックスで紹介したWinShotはパソコン画面の保存・印刷等を行うことができる、とても便利なスクリーンキャプチャソフト。ウェブページからの画像の取り込みや、モニタに表示されている情報をそのまま画像として扱えるので、とても便利です。下のURLからダウンロードして、インストールして下さい。
http://www.woodybells.com/winshot.html
アンケート調査で分かったように、Wordの使い方を多くの人が知りたいと思っています。これは、恐らく、レポートを提出を意識しているのでしょう。でも、
Wordのいろんな機能が使えても、良いレポートが書けるわけではない
レポート作成や論文作成には、データを収集、分析して、それを言葉で他人に伝えるといういろんな作業が含まれています。たかがワープロという道具が使えるようになったって、良いレポートが書ける訳がありません。
でも、ワープロを使えば、きれいに印刷できます。読みにくい手書きの原稿よりも、採点者に自分の意見を伝えやすいでしょう。ここではレポート作成のケーススタディを考えて、ワープロを使って採点者に自分の意見を伝えやすくする方法を、少し解説してみます。
伝えたいメッセージ(主張)が無ければ、良いレポートなんて書けやしない
例えば、
クジラは他の陸生ほ乳類のどのグループに近縁であるかについて、A4 5ページ以内のレポートを作成しなさい というレポート課題が、「進化生物学入門」というコア授業で出されたとする~
(注:あくまでもこういうレポート作成方法もあるよという、1つの例です。こうしなさいというわけでは無いからね)
たいていの場合、自分は課題の内容について、予備知識をそれほど持っていない。そこで、このレポートを仕上げるために、どういう作業工程が効率的かを考えると、
あるいは、同様の方法で、採点者がどういうメッセージを欲しがっているかを考える
Googleで「クジラ 系統関係」というキーワード検索をしてみる
最初に表示されるのはまさしく、「クジラ類と偶蹄類の系統解析」というページ。「しめしめ日本語で書かれたページがあったのだから、この内容をコピペして提出しよう。。。」なんていうのはダメ。ここでやることは、自分がレポートで主張する内容を一言で表すこと。今のページを読んでみると、「クジラと偶蹄目の系統関係は議論の的だったのだけど、レトロポゾンを使った系統解析でクジラは偶蹄目のクレードに含まれ、カバと近縁であることが分かった」と書いてある。「これでいけるじゃん」と思ったのなら、自分の主張したいメッセージを「クジラはカバに近縁だった」とする。
たとえば、「クジラはカバに近縁だった」というメッセージを自分が主張すると決めた でも、「そんなのどうだっていいじゃん」と思われるようではダメ。「クジラがカバ」に近縁であることが どうして問題になっており、それがどうやって解決されたかということを考える
このとき、先ほどGoogle検索でヒットした「クジラ類と偶蹄類の系統解析」というページをそのままコピーして、「ハイ、できました」ではダメ。そのページは、研究した本人のページであり、一般向けに証拠をはしょって書いてあるためレポートには不向き。ではどうするか。
大切なのは、「自分のストーリーで人を納得させられるもの」を作ること。Google検索結果からのコピペはダメだけど、書いてある内容が事実ならば、話しの流れも事実のはず(書いた人が間違ってなければね..)。
ウェブページや教科書を読んで、自分のメッセージを主張するのに相応しいストーリーを考える ウェブページやレビューに書かれた内容が事実なら、自分がそのストーリーで主張しても、パクリではなく、事実の主張
(でも、ウェブページとかには間違いも多いので注意)
上の例だと、「クジラ類と偶蹄類の系統解析」に書かれている内容は事実であると判断して クジラ類の系統関係はよく分かっていなかった →化石証拠から偶蹄類に近いということが分かってきた →塩基配列を用いた分子系統解析は、用いるサンプルや遺伝子、解析方法で異なる結果を提出した →レトロポゾンの利用で、クジラは偶蹄類のクレードに含まれ、さらに、カバに近縁であることが分かった、 また、同様の結果を示唆する化石データも得られた というストーリーを作った
「クジラはカバに近縁だった」という主張をレポートとして展開するには、 ・どうしてそんなことが問題になるのか? これまではクジラの系統的位置はどのように考えられていたのか ・最近の方法ではどうして解決されなかったのか ・その問題がどうやったら解決できたのか という、それぞれの項目について証拠が必要
証拠は、自然科学関係のレポートの場合、原著論文が最も良い。でも、英語を読むのは大変だったら、正しいことを書いてある(と判断できる)日本語の教科書で引用している事実を、「孫引き」したくなるかもしれない。あまりお勧めしないし、日本語で書かれた教科書で引用された原著論文が正しいと判断できないと、自分のストーリー展開の証拠には使えない。でも、その引用が事実を引用しているものであり、正しい方法で引用されている場合、「孫引き」であることを第三者が判断するのは、けっこう難しい。(だからと言って孫引きせよと勧めているわけじゃないからね)。
証拠の示し方は、文章の後に引用文献を明示したり、図表の番号を引用したりする。
これまでの化石データを用いた研究で、偶蹄目は単系統群であり、 鯨はその姉妹群であることが示唆されてきた(Xxxx 19xx, 図1)。 〔このとき、Xxxx 19xx というのは、偶蹄目が単系統でクジラがその姉妹群であることを 主張した論文。図1はそこから引用した図(図のキャプションでも引用を明示すること)〕
以前も紹介しましたが、下の本は、レポートを書くということについて、具体的に分かりやすくまとめられています。
戸田山 和久. 論文の教室—レポートから卒論まで. 297ページ. 出版社: 日本放送出版協会 (2002/11)
あなたのメッセージを分かりやすく相手に伝えるために、Wordを使ってできる限りのことをしよう
採点者は、たくさんのレポートに目を通さなければなりません。そんなとき、自分の主張をわかってもらおうという態度が、他の人とは明らかに異なるレポートがあると、やはり加点の対象になります。今回の予習課題でも、ほとんどの人がレポート形式で提出していないのに、一人だけきちっとした形式で出した人がいると、やはり加点してしまいました(下図)。どんなレポートが読みやすいか分からないという人は、次のような点に気をつければよいでしょう。
自分がつかいやすいように、よくつかう機能だけをまとめてツールバーを作っておく。
前回、プロジェクトごとの班分けとテーマ決定をお願いしておきました。この授業で、各班のテーマ、メンバー、リーダー(連絡担当者)を教えてください。各プロジェクトごとに企画書を作成して提出してもらいます。
./06
*第6回授業・基本課題 **氏名: **課題への回答 -今日の授業の進み方は?(はやい、丁度いい、おそい) --回答: -今日の授業の難しさはどう感じましたか(簡単すぎ 簡単 丁度いい 難しい 難しすぎ): --回答: -難しいと答えた人は、特にどの点が難しかったですか?: --回答: -今日の授業は(よく分かった 分かった 分からなかった): --回答: -分からないと答えた人は、特にどの点が分からなかったですか?: --回答: -今日の講義で理解できなかった用語があったら挙げてください: --回答: -昨年の授業では、図書館情報システムの利用法: 必要なデータを効率よく探すためにというタイトルで、 図書館の専門職員の方に1コマ分の授業を講義していただきました(昨年度の授業ページ参照)。こういう講義を 受けて見たいと思いますか?受けたい場合、どういう内容に興味があるかも教えてください。 --回答: -今年度前期に統計学かそれに類する講義を受講していますか? --回答:
内容: WinShotで切り取った画像にWordでキャプションをつけて、さらにもう一度WinShotで切り取ってJPEG形式でセーブし、自分のウェブページに貼り付ける。
**課題2という見出しを付け(上の囲みの中の文字をコピーしてそのまま貼り付けるだけです)、その下に
&ref(./自分のID.JPG);と記入して「ページを更新」すること(&ref(): The style ref(filename,pagename) is ambiguous and become obsolete. Please try ref(pagename/filename);)
**課題2 ←見出しのつけ方 &ref(./07s4099.JPG); ←ページへの書き込み方