最尤法による系統樹探索 †
今年度の授業ではPAUP* betaを用いずに系統推定を行う。
PAUP* betaとmodeltestを用いて最尤系統樹推定を行う方法の解説はこちら → H22年度授業bbs
今回は、全てフリーソフトを用いて演習を実施する。
- モデルの選択: jmodeltest http://darwin.uvigo.es/software/jmodeltest.html
- 選択されたモデルを用いた最尤系統樹の探索: PHYML http://www.atgc-montpellier.fr/phyml/
http://www.hiv.lanl.gov/content/sequence/PHYML/interface.html
(マニュアル: http://www.atgc-montpellier.fr/download/papers/phyml_manual_2009.pdf)
PHYMLはPAUP* betaよりも扱うことのできるモデルの数が少ないが、フリーソフトの中では一番多くのモデルに対応している。
1. jmodeltestのダウンロードとモデルの選択 †
- jmodeltestのページ(http://darwin.uvigo.es/software/jmodeltest.html)にアクセスして、氏名、メールアドレスなどを入力して、ダウンロード。
MacOS, Windows XP, Linux等で使える。
- jmodeltestを起動し、サンプルファイルPedic_align.fst をダウンロードする
File > Load DNA alignment
- Numbers of substitution schemeの数を3に設定して、24個のモデルのもとで、尤度を計算。デフォルトでは88個のモデルを検討できるが、次に行うPHYMLの解析で、使えるモデルの数が限られているので、ここでは24個のモデルを検討。
Analysis > Compute likelihood scores to start the analysis.
- 最適モデルを選択する。AIC, AICc, BIC等を用いて、最適モデルを選択する。例えば、AICの場合
Analysis > Do AIC calculations
解析結果は画面にも表示されるが、Results Tableの中のAICのタブに保存される
その他、AICc, BICについても同様の操作をしておく。
なお、使えるモデル選択の基準は、
- Akaike Information Criterion (AIC) (Akaike 1974)
- Akaike Information Criterion corrected for small sample sizes (AICc) (Hurvich and Tsai 1989)
- Bayesian Information Criterion (BIC) (Schwarz 1978),
- Decision-theoretic performance-based approach (DT) (Minin et al. 2003)
- 結果のテーブルを見て、最適モデルを選択。AICの場合、テーブルのAICカラムをクリックして並び替えると、最小のAICを持つモデルが一番上にくる。
Results > Show results table
- 今回の例では、HKYが最適モデル。Results tableでこのモデルのパラメータ設定を見て確認。
2. PHYMLによる最尤系統樹推定 †
- サンプルファイルPedic_align.fst をPHYLIP形式に変更(ReadSeqを使う。うまく行かなかったら、FASTA形式のママでも良い)
- PHYMLのウェブサービスにアクセス
- jmodeltestの結果に従って、モデルとパラメータを選択
3.課題(提出期限: 7月19日(火曜) †
1.データファイル(DIPTERO.PHYLIP)をダウンロード
outgroupはTilia
2.jmodeltestを使って尤度データを得る。また、AIC, AICc, BICを用いて最適モデルを選択
以降の系統推定には、AICcで選択されたモデルを使う
3.PHYMLのウェブサービスにアクセス: http://www.atgc-montpellier.fr/phyml/
データファイル: DIPTERO.PHYLIP をアップロード
上で選択した最適モデルに従って、解析パラメータを設定
4. メールで届くtree fileを TreeView等で開けば、系統樹を見ることができる
系統樹部分を切り取って、画像ファイルとして、メールで提出
メールの件名は
最尤法課題(学籍番号)
にすること。
6. 発展学習: 可能ならば、前回と同様に、最尤系統樹にブーツストラップ値を着けたものを提出すること(加点対象)。