*講義メモ:Cygwinを用いたUnixライク環境の体験 [#ob72433f]
系統解析ソフトウェアには、Mac版PAUP*やMesquiteのように、使いやすいグラフィックインターフェースを備えていないものが多くあります。また、ソースコードで配布されるため、自分の環境に合わせてコンパイルしなければ使用できないものも多くあります。そういうソフトウェアを操作し、自分のコンピュータで使えるようにするには、Unix系のコマンドラインでの操作に慣れておくと便利です。この講義では、Windows上で走るUnix環境エミュレータであるCygwinを使って、r8sのコンパイルと、PAML等のソフトの操作を体験します。

#contents

**準備:Cygwinのインストールとr8sのダウンロード [#mef1baf8]
-Cygwinを右のサイトからダウンロード http://cygwin.com/
-デスクトップ上のSetupをクリックしてインストール
--c:\cygwinにインストール
--インストールするパッケージの選択で、Devel(開発環境)のいくつかのセットを選択しておく
	make
	gcc       #C compiler 一つクリックすると、関連するものがすべて選択される。
	gcc-g77
&ref(./WS000000.JPG,50%);
-インストールが終了したら、デスクトップかスタートメニューのCygwinアイコンをクリック。コマンドラインウィンドウが表示される。
-一度立ち上げることで、c:\cygwinに/home(自分のユーザー名:以下の例ではuser1)というディレクトリができる。
-これでUnixライクな環境が構築できた。
--[[See Tutorials for Unix/Linux >http://workshop.molecularevolution.org/resources/computing.php]]


-r8s を右のサイトからダウンロード http://loco.biosci.arizona.edu/r8s/~
eoなどの解凍ソフトがインストールされていたら、ファイルが自動的に展開されて、r8s1.71というフォルダができる。
-このフォルダを、c:\cygwin/home/user1 に移動


**r8sのインストールとサンプルファイルの解析 [#kb0c2d51]
-cygwinを立ち上げ、以下のコマンド($ の後の文字)を順番に入力
 $ pwd
 /home/user1	#自分が今いるディレクトリ
 
 $ ls		#そのディレクトリの内容をリスト
 r8s1.71  sample
 
 
 $ cd r8s1.71	#r8s1.71というディレクトリに移動
 
 $ ls
 bin  doc  sample  src
 
 $ cd src	#srcディレクトリに移動
 
 $ make		#コンパイル。うまくゆくと、srcディレクトリ内にr8s.exeができる。
 
 $ mv r8s.exe /usr/local/bin	#できた実行形式ファイルを、/usr/local/binに移動
 				#こうしておくと、ファイル名だけで実行できる
 
 $ ls /usr/local/bin		#ちゃんと移動できたことを確認
 r8s.exe
 
 $ r8s -v			#起動テスト
 r8s version 1.71 (compiled Dec 12 2007)
 r8s version 1.71 (Dec 12 2007)
 
 r8s>quit			#起動テスト終了
 
 $ cd /home/user1/r8s1.71/sample    #sampleファイルのディレクトリに移動
 
 $ ls
 SAMPLE_1.7          SAMPLE_CROSSVAL  SAMPLE_LOCAL_CLOCK  SAMPLE_SUPERTREE
 SAMPLE_CONSTRAINTS  SAMPLE_FLU       SAMPLE_SIMPLE
 
 $ r8s -f SAMPLE_SIMPLE                      #sampleファイルを一つ解析してみる。結果がすぐに表示される。

**PAML, Multidivtimeのbinディレクトリへのインストール [#of7b523a]
これらのファイルはウィンドウズのコマンドプロンプトからでも実行できるが、パスの設定が面倒な場合がある。また、cygwinのシェルを使う方が、コマンド入力や解析が便利な場合がある。そこで、実行形式ファイル(exeファイル)をパスの通ったc:\cygwin//usr/local/binにまとめておく。~
(注:大量の繰り返しを必要とする解析の場合、Cygwin環境で使うと計算速度が遅くなるかもしれない。その場合、コマンドプロンプトから実行する方が良いかもしれない。)

***PAMLのダウンロードと動作確認 [#c17db6c1]
-右のサイトからPAMLをダウンロード。 http://abacus.gene.ucl.ac.uk/software/paml.html~
eo等がインストールされていれば、paml4というフォルダが自動的に展開される。この中のbinフォルダに入っている以下9つのexeファイルを、すべて、 c:\cygwin/usr/local/bin に移動。
 baseml.exe
 basemlg.exe
 chi2.exe
 codeml.exe
 evolver.exe
 mcmctree.exe
 pamp.exe
 TreeTimeJeff.exe
 yn00.exe
-cygwinで確認     #下の様に表示される。
 $ ls /usr/local/bin
     TreeTimeJeff.exe  basemlg.exe  codeml.exe   mcmctree.exe  r8s.exe
     baseml.exe        chi2.exe     evolver.exe  pamp.exe      yn00.exe
-paml4フォルダをc:\cygwin/home/user1/ディレクトリにコピー。doc, bin, src, Technicalというディレクトリは不要なので削除。
 $ ls /home/user1
    paml4
-cygwinで下記の様に入力して、codemlの動作確認]
 $ cd /home/user1/paml4
 $ codeml   #解析結果が画面に表示される


***Multidivtimeのダウンロードとbinディレクトリへのインストール [#c4067225]
-右のサイトからmultidivtimeをダウンロード: http://statgen.ncsu.edu/thorne/multidivtime.html~
デスクトップ上にmultidistributeというフォルダができる。フォルダを開いて種類で並び替え、以下4つのファイルを c:\cygwin/usr/local/binに移動。
 estbranches_aa.exe
 estbranches_dna.exe
 multidivtime.exe
 paml2modelinf.exe
-cygwinで確認     #下の様に表示される。
  $ ls /usr/local/bin
     TreeTimeJeff.exe  chi2.exe            estbranches_dna.exe  multidivtime.exe   r8s.exe
     baseml.exe        codeml.exe          evolver.exe          paml2modelinf.exe  yn00.exe
     basemlg.exe       estbranches_aa.exe  mcmctree.exe         pamp.exe
-サンプルファイルの入ったフォルダ, multidistribute を/home/user1にコピーしておく。|
Pamlの場合と同様に、サンプルファイルの入ったフォルダの中から、multidivtimeの実行ファイルを実行できる。