第3回・アプリケーション間でのデータ共有 - テキストファイル大好き! -

前回授業では、ネットワークを利用したコミュニケーションツールとして、電子メールとmoodleの利用方法を学んだ。
今日の授業では、ネットワーク利用のコミュニケーションのためにmoodleを使ったウェブページを利用する方法を学ぶ。今後の授業では、毎回必ず1つの課題はmoodle経由で提出してもらうので、使い方を十分理解してほしい(とはいえ、ほとんどの皆さんは、ウェブブラウザ(FireFoxやInternet Explorer)を使って、ウェブページになんらかの情報を入力するということを経験済みだと思うので、何も心配することは無いと思う)。

さて、今日からいよいよ、テキストファイルを扱う方法を習得する。テキストファイル(あるいは、そこに含まれるテキストデータ)の扱いは、コンピュータを自在に扱うための、基本技術の一つなので、ぜひ、習得してほしい。
もし、私が、この情報授業で皆さんに一番習得して欲しいことは何ですかと聞かれたら、テキストデータの操作技術と答えるぐらい、重要な位置づけのテーマだ。
コンピュータは道具。道具無しで同じことができるなら、別に、「使わなくていいや」という選択肢もあり得る。でも。。。、
大量のデータを短時間で処理したり、みんなで同じデータを共有したいとき、コンピュータ無しにやるのは、非常に大変。
使わない訳にはいかない。。。
じゃあ、どうせ使うなら、効率よくやりたい。そのために、皆さんのスキルアップを図るのが、この講義の目的だ。

テキストデータ(ファイル)の扱いに慣れることができれば、データ処理の効率が飛躍的に向上するので、よく理解しよう

|基本技は1.コピー・ペースト 2.テキストファイル(エディタ)利用 3.一括検索&置換|

第3回授業の獲得目標: [worried]

  1. テキストデータ(テキストファイル)とは何かを理解する
  2. テキストエディタ(K2Editor)の基本的な使い方(テキスト入力、検索、置換)を体験する
  3. 異なるアプリケーションでテキストデータを共有する方法を体験する(テキストエディタとエクセル、ブラウザ等)
    • タブ区切りテキストをエクセルに表として読み込む
  4. 検索・置換で大量データを一括処理する方法を習得する
  5. DropBoxを用いたファイル共有の方法を習得する

テキストファイルとは: [smile]

 テキストファイルというのは、簡単に言うと、書式の指定や修飾文字の無い、文字データ(テキスト形式のデータ)だけからできているファイルのことだ。
前回の課題で、同じ言葉が書かれた2つのデータの違いについて答えて貰った。

この課題は予習課題だったので、皆さんは課題に使われている用語を自分で調べる必要があった。調べてみると、
分からない用語があったら、IT用語辞典(左のメニューバーにリンクがある)などで、調べよう

コンピュータが扱うデータ

テキストデータを使った処理

では、どうしてこの授業でテキストデータに注目するかというと、それは、

 テキストデータはほとんどのアプリケーションで扱うことができる からだ。 つまり、

     テキストファイルは万能選手!

テキストファイルを自由自在に操れることが、いろんな仕事をコンピュータで効率良くこなすための早道になる。例えば、
前回、前々回の課題でも、皆さんはウェブページに表示された情報を、コピー・ペーストで他の場所に移動させてきた。

つまり、コピー・ペーストを使えば、ウェブ上のテキストデータを他のアプリケーションと共有できる! ということだ。
また、テキストデータを保存したファイルのことを、テキストファイルと言う。テキストファイルは明示的に .txt という拡張子が着いたものもあるし、例えば、ウェブページに使われる HTMLファイル(後の授業で出てくる)もテキストファイルの1つだ。

テキストファイルを扱う道具: テキストエディタ [smile]

 そこで、テキストファイルの扱いを専用とするアプリケーションを手に入れよう!それがテキストエディタだ。MS WordやWindowsのメモ帳などでもテキストファイルは扱えるが、専用のテキストエディタを使う方が絶対に良い。
〔アンケート集計の結果、ほとんどの人がテキストエディタを使ったことが無いと答えていたが、この授業を一通り終えた後は、全員が、テキストエディタの扱いにすごく慣れているはずだ。〕

この授業では K2Editor を使う。
 これを選んだ理由は、つぎの3つ。

K2Editorのインストール

では、K2Editorをダウンロードして、インストールしてみよう。

  1. ダウンロードサイトにアクセス → http://k2top.jpn.org/k2soft/cgi-bin/lime/lime.cgi?down=http://k2top.jpn.org/k2soft/arch/k2e10508.lzh&name=k2e10508
  2. 小さいウィンドウが開いて処理を尋ねられたら、LhaplusArchiveで開くを選択
  3. デスクトップにK2Editorのフォルダができる
  4. フォルダの中のK2Editor.exeをクリックして起動してみよう
    新しいウィンドウが開くはず

K2Editorを用いたテキスト操作

それでは、K2Editorを使って、簡単なテキスト操作をしてみよう

  1. 開いたウィンドウに
     職名  氏名 
    内閣総理大臣 安倍 晋三(あべ しんぞう) 
    財務大臣 麻生 太郎(あそう たろう) 
    総務大臣 新藤 義孝(しんどう よしたか) 
    法務大臣 谷垣 禎一(たにがき さだかず) 
    外務大臣 岸田 文雄(きしだ ふみお) 
    文部科学大臣 下村 博文(しもむら はくぶん) 
    厚生労働大臣 田村 憲久(たむら のりひさ) 
    農林水産大臣 林 芳正(はやし よしまさ) 
    経済産業大臣 茂木 敏充(もてぎ としみつ) 
    国土交通大臣 太田 昭宏(おおた あきひろ) 
    環境大臣 石原 伸晃(いしはら のぶてる) 
    防衛大臣 小野寺 五典(おのでら いつのり) 
    内閣官房長官 菅 義偉(すが よしひで) 
    復興大臣 根本 匠(ねもと たくみ) 
    国家公安委員会委員長 古屋 圭司(ふるや けいじ) 
    内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策他) 山本 一太(やまもと いちた) 
    内閣府特命担当大臣(女性活力・子育て支援担当他) 森 まさこ(もり まさこ) 
    内閣府特命担当大臣(経済再生担当他) 甘利 明(あまり あきら) 
    内閣府特命担当大臣(行政改革担当他) 稲田 朋美(いなだ ともみ) 
    内閣官房副長官 世耕 弘成(せこう ひろしげ) 
    内閣官房副長官 杉田 和博(すぎた かずひろ) 
    内閣法制局長官 山本 庸幸(やまもと つねゆき) 
    の内容をコピーペーストする。
  2. ファイルnaikaku.txtという名前で保存.

    これで、テキストファイルが作成できた!

    • ヒマをもてあましている人への発展演習:
      このリストは首相官邸のページhttp://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/meibo/index.htmlから持ってきた。リンク先からリストをコピーして、エクセルで、大臣名、氏名、よみがな、備考欄のそれぞれに対応するデータが入るような一覧表を作ってみよう

異なるアプリケーションでテキストデータを共有:Excelとテキストエディタによる情報加工 [smile]

 Excelは表計算ソフトと呼ばれ、アプリケーションの中で、最もよく使われるもののうちの1つ。しかも、ワープロのように、たんなる文章の整形・印刷ということを目的としているのではなく、カラム(表のマス目のこと)の中に納められた情報を、他のカラムの値と併せて計算したり加工することができる。しかも、ある2つのカラムの間で計算する関係を一度決めれば、相対的な位置関係が同じ他のカラム同士の計算も自動的に行えるという、非常に、コンピュータらしい作業を行うことができるソフトウェア。

 Excelは表を扱うのが得意なので、まず起動して、上にある大臣一覧表をペーストしてみよう。

  1. まず、上の大臣一覧表を選択して、コピー
  2. Excelを起動
  3. 新しく開いた表の一番左上のカラムをクリック
  4. ペースト

大臣は大臣で1つの列に、名前は名前で1つの列に並んだ表になっただろうか?

うまく行かない時こそ、テキストエディタの出番(うまく行った場合でも、読み仮名を別の列に分けたいときなどは、テキストエディタが便利)

K2EditorとExcelの合わせ技

こういう時こそ、テキストエディタの出番。次のような操作をしてみよう。

  1. 先ほどせーブしたnaikaku.txtをK2Editorで開く
  2. 次に、K2Editorの置換ウィンドウを開いて、以下の置換操作を行う 
    • 検索文字    (ここに書かれているのは全角スペース1つ)※全角・半角を間違わないように
      置換文字 	(ここに書かれているのはタブ)※: タブの入力方法は、前方スクリーンで説明
       (K2Editorの編集画面でTabキーを押して表示されるタブ記号をコピーして、置換文字ウィンドウにペースト)
    • 全てを置換する。
  3. そうすると、上の置換で、データは次のように置き換わった
    大臣名<タブ>氏名<タブ>(ふりがな)<タブ>衆参別
  4. 全体を選択してコピーする。
  5. エクセルで新しいページを開き、左上角のセルをクリック(オプション:セルの書式を文字列に設定)
  6. ペースト

この作業で、期待通りの表ができたはず。あとは、エクセル上でいろいろな操作ができる。

他にも、リストに含まれている( ) が不要だったら、テキストエディタで一括置換して消してしまえばいい。

今日はまず、こんなところ。次週からは、テキストエディタを使った様々な操作を学ぶ。

補足説明: タブについて

タブ(TAB)という言葉は、いくつかの意味を持っている。

  1. キーボードの左側にあるTABキーを押すと、入力される文字。ある一定の幅を持っている文字で、文字列の頭(ワープロでは真ん中や最後の設定も可能)を揃えるときに使われる。
    昔、タイプライターを使って表を作成するときには、TABキーが大活躍した。今は、テキストデータで、項目と項目を区切るときに使われたり、ワープロで文字の先頭(真ん中、最後)を揃えるのによく使われる。
  2. ブラウザで、ページの上部にとびだしている出っ張り。タブをクリックすることで、表示するページを素早く切り替えられる。

検索・置換による大量データの一括処理 [smile]

先ほどK2Editorを使って行った検索・置換は、様々なアプリケーションで使うことができる。コンピュータを扱う上で、絶対に知っておかなければ損をする技術の一つだ。
もちろん、あつかうデータの量が少なかったら、一つ一つ、手作業でやっても構わない。例えば、上の内閣の表を、読み仮名だけ別の列にした、エクセルの表にしたい。どうすればいいだろうか?

Wordを用いた、検索置換の練習

DropBoxを用いたファイル共有

moodleによるコミュニケーションに習熟する

第3回授業課題 [smile]

以下の課題全て、提出期限:は5月1日火曜正午

課題1-3.