*生物学セミナー [#pef4f0e4]
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**授業情報 [#wb253567]
2006年度 	授業コード:S4302101 	科目コード:S43021~
前期・ 月5 	単位数 :2  専門科目(生物学科) 教室 	5月12日以降は407号室~
授業科目名: 生物学セミナー (Seminar in General Biology)

***目的・目標 [#e5b33283]
生物学入門。大学でおこなわれている高度な生物学に早期に触れさせ、学問への動機づけを行う。
***授業計画・授業内容 [#k8e0d953]
1−15   前半は、オムニバス形式で、各研究分野の教官の研究内容の概略を学ぶ。後半は2,3人ずつに分かれ、1人の教官が生物学各分野への入門的な基礎文献の購読ならびに生物の観察、実験手法等の指導を行う。

***講義予定(進行状況に応じて変更するので注意!) [#u4337f4d]

***評価方法・基準 [#w476fbf5]
出席を重視。後半の小人数教育では、教官から与えられる課題への積極的な取組みが求められる。

**初回:6月12日 [#t0511d73]
 学生2名とセミナー実施内容を相談。「植物観察実験」、「DNAデータの解析実験」、「研究論文の読み方」などの選択肢から、学生の希望により、「研究論文の読み方」を選択。
 
 研究論文の構成(イントロダクション、マテメソ、リザルト、ディスカッション)について説明。

 テーマを「種分化」に設定し、最近発表された、ヤシの同所的種分化の論文を読むことに決定。テーマを決めて論文を探す場合の方法として、PubMed, Google Scholar, SCOPUSを利用して、"Sympatiric Speciation"などを検索。論文の被引用回数や、引用論文リストから、論文検索の方法を実習。また、千葉大学の電子ジャーナルの使い方を概説。

 千葉大の電子ジャーナルページに入り、Nature誌のサイトから、Savolainen et al. "Sympatric speciation in palms on an oceanic island."  Nature 441, 210-213 (11 May 2006) をダウンロードして両面でプリントアウト。学生2名が1パラグラフごとに交互に内容を説明することになった。

**第2回:6月19日 [#l404cb8e]
 次のような進め方で行った。
-担当者が1段落ずつを和訳
-分からないことを教員が解説
-最後の担当者が段落の内容を要約。要約は、単なる情報の要約ではなく、著者のメッセージを理解する。

***論文のイントロダクションを読む上でのポイント: [#f87f44d1]
-著者のメッセージを常に意識する
--イントロダクションには必ず、著者がどうしてこの研究をやったのかということが書かれている。英語だから分かりにくいとは思うけど、そのメッセージを最初に見つけよう。多くのメッセージはこんなの:
 〜〜という重要な問題を・・・という方法で(orアイデアで)解決したぞ(どうだ、すごいだろ!?)。
--基本的には「タイトル」がそのメッセージの要約になっているはず。例えば、この論文の場合、
---タイトル:Sympatric speciation in palms on an oceanic island
---sympatric speciation: 同所的種分化
---palms: ヤシ(複数形だから2種以上はあたりまえ)
---an oceanic island: 海洋島(単数)
---海洋島におけるヤシの同所的種分化に関する論文っていうことは分かるけど、メッセージは何だろう?タイトルに出てくる言葉のどれかがきっと問題になっているはずだから、どういう説明をしているかに注意して、イントロダクションを読んでみよう。
-著者のメッセージに含まれる「問題点」に注意を払おう
--科学論文の場合、著者のメッセージは、必ず、「・・・という問題を解決した」という形式に読みかえられるはずである
--「・・・という問題」の部分をはっきりと言葉で説明してある論文には、良い論文が多い
--「・・・という問題」がはっきりしない論文は、メッセージ性が低い
-問題点の重要性がどう主張されているか、注意しよう
--論文の価値は、著者が解決した問題がどれほど重要なものであるかで決まる。そのため、イントロダクションでは、問題点の重要性を、事実に基づき、論証しているはず。
---上で言う「事実」は大抵、他の研究で証明された事実。引用論文を見れば、その事実がどのような方法で明らかにされたのかが分かる。
-論文読みに便利なサイト
--英辞郎 http://www.alc.co.jp/
--Google Scholar http://scholar.google.com/
--PubMed  http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?db=PubMed
--ライフサイエンス辞書プロジェクト http://lsd.pharm.kyoto-u.ac.jp/ja/index.html

**3 July [#ededcd8a]
-Methodsの説明
--系統樹をどうやって作ったというところを勉強
---用いたサンプル(132 sample, ヤシ科全て67属)
---遺伝子の種類(Nuclear Gene, Low Copy遺伝子)
---塩基配列決定の方法(PCR, Automated Sequencer)
---系統推定の方法(Random Addition, TBR, Model Test)

*[[(付録)論文の探し方>授業/H18/生物学セミナー/論文の探し方]] [#be5b84e8]