*ウェブサーバを活用した授業運営 [#b71277ae]
-日時:平成19年12月21日(金)午後2時40分~3時25分 (45分)
-場所:社会文化科学系総合研究棟2階 マルチメディア会議室
-担当:梶田 忠(大学院理学研究科・内線2818・e-mail:&ref(授業/tk.gif);)

~コンテンツ
#contents

**摘要:「授業の運営でウェブサーバを利用できれば、面倒を減らせられる(かも)」 [#c563cde8]
授業は、教員と学生のコミュニケーションで成立するものです。しかし、そこには様々な「面倒」が存在します
-教員:板書・プリント印刷・配布~
学生:板書の書写・プリントの整
-教員:レポート回収・採点・集計・返却~
学生:レポート提出(書くこと自体が面倒。提出しても点数が知らされないことがあるし、どこが悪かったかわからない)
-教員:学生からのレスポンス得るためのアンケートの配布・回収・集計~
学生:アンケートへの記入・提出(アンケートがどう使われるか分からない)

授業にはこういう「面倒」はつきものです。また、面倒を顧みず実施したところで、学生と期待通りのコミュニケーションを行えるとは限りません。そこで、ウェブサーバを活用することで、こういう面倒を軽減させ、しかも、コミュニケーションのスピードも高められるというのが今日のお話しです。また、表題では「ウェブサーバ」だけを挙げていますが、授業運営の方法としては他に、電子メールとデータベース、及び周辺技術も含めてお話しします。

以下、ウェブサーバ(及び電子メールやデータベース)を利用した授業運営の長所と短所をまとめておきます。
-長所:
--教員: 学生への授業情報(成績を含む)の提供が簡単に(手間が少なく、しかも速く)行える。~
    レポートやアンケートの集計が簡単に行える。~
    学生とのコミュニケーションにかける時間を増やせる
--学生; レポートや意見の提出が簡単に(手間がかからず、速く)行える。~
    教員からのレスポンスが多く得られる。
-短所:
 ウェブサーバーが無いと実施できない~
 ウェブサーバーがあっても、使い方が分からなければ使えない~
 リアルタイムで情報が伝達されるため、情報の質に注意が必要になる

以上が、今日の話しのポイントです。ウェブサーバの導入や運営は慣れるまで面倒な部分がありますが、うまく利用できれば、学生とのコミュニケーションをもっと頻繁にとることができ、授業の効果が高まると思います。~

今日のお話しは上に挙げたコンテンツの構成で行います。


**授業に利用すると便利なウェブサーバと必要な機能 [#q988f3f3]
-ウェブサーバーとは
-必要なソフトウェア
--Pukiwiki(簡単), データベース(難)
** 導入の方法 [#q4d75e0c]
恐らく多くの方は、ウェブサーバを自分自身で立ち上げたことは無いと思います。

-「外部レンタルサーバを使って、自分のウェブページを使ってみたいと言う方」: [[レンタルサーバを用いた導入事例>授業/H19/FD/rental]](10日間の試用は無料!本格的に使うなら月額300円ぐらいから)~
(*[[千葉大学でもウェブサーバーのホスティングサービスを実施>http://www.imit.chiba-u.ac.jp/services/hosthing/index.html]]しているのですが、残念ながら、対象は部局(「・・学部」、「・・研究所」など)に限られており、現時点で教員各自が自分の授業運営に利用することはできません。)
-「自分でウェブサーバーを立ち上げてみたいという方」:ウェブサーバーの簡単な構築方法と、外部への公開のための申請手順
-「ウェブサーバは大変そうだから、とりあえずPukiwikiでページを作ってみたいという方」: Pukiwikiお試しページ: http://fdkenshu.hiho.jp/ (下の説明にある「外部レンタルサーバを用いた導入事例」に従って作成しました)

**Pukiwiki(プキウィキ)で授業用のページを作成する。[#w7fcde09]
今、皆さんに見ていいるページが、Pukiwikiというシステムを使って作成したウェブページです。Pukiwikiというのは、一言で言うと、ウェブブラウザから自由に書き換えが行える、ウェブページの管理システムです。~
皆さんもよくご存じの[[ウィキペディア Wikipedia >http://ja.wikipedia.org/wiki/]]もPukiwikiと同じ様な「ウィキ」のシステムによって作られています。~
Pukiwikiについての詳しい解説は、(→[[「Pukiwikiについて」>http://pukiwiki.sourceforge.jp/?PukiWiki]])を見てください。
このページで解説されている内容を簡単にまとめると、
 ■Pukiwikiの特徴■
 ウェブページの編集がWebブラウザから自由にとても簡単に行える
 訪問者がページの内容を自由に変更することができる(注:変更できなくすることも可能)
 HTMLを覚えなくとも文字修飾が簡単にできる。図版の貼り付けも簡単

また、授業でPukiwikiを利用することの利点には、次のようなことが挙げられます:
 ■授業でPukiwikiを使う利点■
 分かりやすく見やすいページを短時間で作成できる
 学生からのレスポンスをPukiwiki経由で受け取れる。また、コメントを返せる。
 学生は必要に応じていつでも授業内容を参照できる
 パスワード認証付きページも簡単に作れるので、一般公開に向かないデータも利用できる

授業用に新しいページを作るには、次のような操作を行います。手順をここに挙げておきますが、後で[[練習用ページ>http://fdkenshu.hiho.jp/ ]]:2007年12月29日までは利用可能)にアクセスして、ぜひ、試してみてください。Pukiwiki には様々な機能がありますが、基本は以下の通りです。

 ■授業用にページ新しいページを作る手順■
 ・ページ内の「新規」をクリックして、新しいページを作成
 ・ページ名を入力
 ・授業で提供したい情報を入力
     ・行頭におくアスタリスクの数( * or ** or ***)で、見出しのレベルを3段階に調節
     ・編集画面での改行は、ウェブページ上に反映されない。改行の後に ~ を入力するか、行頭に ~ を入力
     ・箇条書きのリストを作りたいときは、 行頭に - ( or -- or --- )を入力
     ・URLを入力すると自動的にリンクがはられる
     ・[[リンクしたい文字列>http://リンク先URL]  と入力するだけで、簡単にリンクをはれる
     ・同じプキウィキ内のページ名を記入すると自動的にリンクがはられる(注:初期設定のままならば)
 ・ファイルを「添付」すると、ページの最下部にリンクがはられ、ダウンロードできるようになる
       &ref(./ファイル名);
   を文章中に入力すると、その場所にファイルへのリンクがはられる。画像の場合は、画像が表示される
        &ref(./画像ファイル名,50%);  などと記入することで、表示倍率を変更できる。

***Pukiwikiの活用事例 [#nff5c373]

■%%%授業用の情報提供%%%
>
~例:[[授業/H19/情報処理/04]] 「テキストファイルの加工とエクセルの使い方」
~この例は、普遍教育の「情報処理」の授業ページです。この講義では、学生に実際にコンピュータを操作させることで、コンピュータの使い方を学ばせます。正面のスクリーンにはこのページの画面を投影し、必要箇所をポインタで示しながら、解説を行います。学生は解説されたのと同じことを自分のコンピュータ上で行うのですが、実際の作業をする際にはスクリーンを見る必要は無く、自分のコンピュータのディスプレイに授業ページを表示させ、そこに書かれた手順で作業すれば、自分のペースで作業を行うことができます。
~情報処理」の授業は技術を教えることがメインなので、手順を図版や文書でまとめ、Pukiwikiページに貼り付けるだけです。上のページの作成にかかった時間は、当日の朝から授業直前までですから、6, 7時間でした。その場限りでは無い、効果的な授業ページ1コマ分が、たったの6時間でできるので、かなり効率が良いと思っています。
~この例は、普遍教育の「情報処理」の授業ページです。この講義では、学生に実際にコンピュータを操作させることで、コンピュータの使い方を学ばせた。正面のスクリーンにはこのページの画面を投影し、必要箇所をポインタで示しながら、解説を行った。学生は解説されたのと同じ操作を自分のコンピュータ上で行うのだが、作業をする際にはスクリーンを見る必要は無く、自分のコンピュータのディスプレイに授業ページを表示させ、自分のペースで作業を行うことができる。
~情報処理」の授業は技術を教えることがメインなので、手順を図版や文書でまとめ、Pukiwikiページに貼り付けるだけで、効果的な授業ページが完成する。上のページの作成にかかった時間は、当日の朝から授業直前までの、6, 7時間。その場限りでは無い、効果的な授業ページ1コマ分が、たったの6時間でできるので、かなり効率が良いと思っている。

■%%%学生の個人ページ(認証制限付き)の作成%%%
>
~ 例:[[情報処理の学生用ページ>http: //bean. bio.chiba-u.j p/ joho18/]](注:制限ページのため一般からはアクセスできません)
~この例では、学生一人一人にPukiwikiのページを持たせ、レポートの提出はこのページから行わせました。また、そのレポートに対するコメントを、同じページ内に書き込みました。以下、学生用ページの利点を箇条書きにします。
+掲示板の作成が簡単にできる
--例:プロジェクト決定まで(※非公開ページにつき、リンクをはずしました)
--例:プロジェクト平均顔Now(※非公開ページにつき、リンクをはずしました)
---参考:[[授業/H18/情報処理/14]]:上のプロジェクトの結果
+学生:個人ページでレポートの提出が簡単にできる; 教員:コメントが簡単に返せる~
(個人ページはパスワード認証つきです)
--個人ページの例
--[[学生からのコメント例>http://bean.bio.chiba-u.jp/lab/index.php?cmd=read&page=%BC%F8%B6%C8%2FH18%2F%BE%F0%CA%F3%BD%E8%CD%FD%2F%B2%DD%C2%EA%B7%EB%B2%CC%C8%AF%C9%BD]]
--レポート(図版)提出例
+定型アンケートを作っておけば、書き込む方もコピペで楽。テキストの一括処理で、集計も楽
--[[授業課題の例>http://bean.bio.chiba-u.jp/lab/index.php?%BC%F8%B6%C8%2FH18%2F%BE%F0%CA%F3%BD%E8%CD%FD%2F09#ffb4e5d7]] 
~項目を定型化したアンケートは、簡単なテキスト処理(検索・置換)を行うことで、集計することがる。授業の最後には学生自身に[[アンケートのデータ>http://bean.bio.chiba-u.jp/lab/index.php?%BC%F8%B6%C8%2FH18%2F%BE%F0%CA%F3%BD%E8%CD%FD%2F%B2%DD%C2%EA%B7%EB%B2%CC%C8%AF%C9%BD#gb2fcaa0]]に修得した情報しょり技術のおさらいとして、データを集計させた。
--学生によるアンケート集計
--[[教員によるアンケート集計>http://bean.bio.chiba-u.jp/lab/index.php?%BC%F8%B6%C8%2FH18%2F%BE%F0%CA%F3%BD%E8%CD%FD#df206fa4]]
-研究室においては、研究の進め方の相談、論文作成の過程を共著者で共有することなど、様々に活用できる。

**電子メール [#vc6b560c]
Pukiwikiはとても素晴らしいシステムだが、インターネットに接続できるコンピュータが必要。「情報処理」の授業では、学生にPukiwikiでレポート提出させられるが、その他の授業でパソコン利用を強要することはできない。そこで、携帯電話のメール機能を使って、レポートを提出できるようにした。こうすれば、通学途中の電車の中でレポートを作成して、送ってくれる。
~電子メールでレポートを提出させる場合、課題の内容を工夫しておく必要がある。

 ■メール提出用課題の注意点■
 ・本文中に氏名と学籍番号を明記すること
 ・図版を使わずに答えられるような設問が望ましい
 ・携帯電話メールやフリーメールからの提出も受け付ける
 ・アンケートをレポートの一部として位置づけておけば、必ず意見が貰える
 ・メールでのレポート提出についてガイダンスを行い、良い例と悪い例を見せておく
 ・学生はメールによるレポート提出を歓迎してはいるが、届いたかどうか分からないことに不安を感じる
     → Pukiwikiを活用して、提出者の学籍番号リストが認証制限つきページで見られるようにしておく

-学生に提示した良いレポートと悪いレポートの例及び評価基準
 内容:課題の答えとそれが選ばれた理由、また、他の選択肢が選ばれなかった理由を簡単にまとめる。
 フリーメール、携帯電話メールどれからでも提出可
~レポートの提出例:良い例と悪い例
        レポートの提出例(良い例)
 例えば、先ほどの系統樹で「カエルがヒトとサカナのどちらにより近縁か」という問題がレポート1として出されたら、
 メール件名: レポート1
 メール内容:  ヒトに近い。理由は、カエルとヒトの最も今に近い共通祖先は、
               カエルとサカナの最も今に近い共通祖先の子孫であるから。  千葉ちはな(06S4442)
 "○ このレポートは、どのように考えたかが、分かりやすく説明されている。 満点"
 
        レポートの提出例(悪い例)
 メール件名: レポート1
 メール内容:   答えはヒト。理由は、特にありません。  千葉ちはな(06S4442)
 "× このレポートには、どのように考えたかが 説明されていない。 1点"
-→レポート課題の一例
アンケートをとったところ、多くの学生がメールでのレポート提出を歓迎してた。ただし、レポートが受領されたかどうかの確認が欲しいという意見も多かった。
-[[授業アンケート(琉大)>http://bean.bio.chiba-u.jp/lab/index.php?%BC%F8%B6%C8%2FH18%2F%CD%FD%B2%CA%B6%B5%B0%E9%B8%A6%B5%E6II%A1%A7%B7%CF%C5%FD%BF%E4%C4%EA%A4%C8%C0%B8%CA%AA%C2%BF%CD%CD%C0%AD%2F%BC%F8%B6%C8%A5%A2%A5%F3%A5%B1%A1%BC%A5%C8#o587fc21]]

**データベース [#jbcad3ce]
■%%%特徴、便利さ、デモ%%%
上で紹介したレンタルサーバはデータベース機能を持っている。ウェブ上におかれたデータベースに、毎回のレポート採点結果をおいておけば、学生は自分の得点と学習の進め方を自分で確認することができる。イメージとしては、成績の入ったエクセルのワークシートをインターネット上に置いておき、学生は自分のデータだけを閲覧できるというもの。
~
ただし、サーバを介してのデータベース利用はより専門的な知識を要するので、今回は導入方法についての解説は行わない。以下の活用事例と、参考文献・参考URLの紹介のみを行う。


 ■活用事例: 学生個人の専用ページで、レポートへのコメントと成績を返却■
  <例>
 レポート10
 【回答】 答えは b)理由:7番の分類群は、その姉妹群である8番よりも前の時代から化石が得ら
 れていることに注目すると、8番の方が7番のよりも後の時代から化石が得られるので、8番の種の系統
 が現れたのは、最低で、7番の化石が得られている250万年前であると考えられる。よって答えは b)である。
 【評点】 5
 
 【コメント】 授業では、問題文の「what is the minimum age we could infer for lineage 8?」を
 「8番の種の系統が現れたのは、最低で、...<中略>8番の出現年代は、最も遡れば、7番の化石が得ら
 れた2.5MAまで遡れる可能性があると考えられる」が適当です。
 
 レポート11
 【回答】 -
 【評点】 42
 【コメント】 試験
 順位データ
 
 現在の順位:7位(63人中)   総得点:86
 得点分布
 
 平均点:70.44 
 得点	人数
 93	1
 92	2
 90	1
 87	2
 86	3
 85	2
 84	3
 82	1
 81	5
 80	2
 78	3
 77	1
 76	1
 75	1
 74	1
 73	3
 72	2

**周辺技術 [#oe9aebbf]
■%%%テキストエディタの利用、データの一括整形%%%

上の例では、メールで提出されたレポートにコメントをつけ、返却した。1つ1つのメールを返信するのは面倒なので、一括してデータベースに取り込み、ウェブサーバを介して返却した。その手順は以下の通りで、テキストエディタで一括置換することにより、短時間でデータの整形を行っている。
~以下、やや専門用語も含まれていますが、手順
 1. Eudoraなどのメーラーソフトで、届いたレポートメールを複数選択し、一括してテキスト保存
 2. テキストエディタで保存されたメールを開き、ヘッダのうち不要部分を一括削除(正規表現検索・置換)
 3. 正規表現検索・置換を繰り返し、レポート回数、氏名、学籍番号、レポート本文にタブでカラムを区切る
 4. File Maker Pro等のデータベースソフトに取り込んで、レポートに対してコメントと評点を追加
 5. 全てのカラムをタブ区切りのテキスト形式でセーブし、サーバに作成したデータベース(PostgreSQL)にアップロード
 6. 学生がパスワード認証により自分のレポートの採点結果を閲覧できるように、PHPでスクリプト作成
~(※最後の2行は、データベースサーバとか、CGIとかの知識が必要なので、あまり一般的な話しでは有りません。でも、はじめの4つは、今年度の「情報処理」で1年生に習得させた作業です)




>
//私はまだ講義を担当するようになってから4年の、新米講義担当者です。講義を行うときには、どうすれば効果的な授業ができるのか、いつも悩んでいます。そんな中で気づいたのは、学生の理解度を頻繁にサーベイすれば、授業の進め方を考える資料になるということです。例えば、
//+授業アンケートを行い学生からの意見や質問を受け付ける
//~自分が学生に理解させたかったことが学生に伝わっているかどうかがわかる
//+レポートやミニテストを実施する
//~授業の内容を学生が習得したかどうかがわかる。つまり、その授業で学生にどのくらい授業内容を習得させられたかが、レポートやミニテストの出来具合に反映されている。
//
//>
//こういうコミュニケーションを学生との間で確立することにより、自分が学生に理解させようと計画していることが学生に伝わっているかどうかを定期的に判断することができます。その判断によって授業の進め方を調節すると、授業の効果が高まると考えています。
//
//***「でも、そんな時間は無いのです」という教員の現状 [#n41a9c3d]
//>
//上でまとめたようなことは、いわば、当たり前のことですよね。でも、大学教育の場では、もしかするとそれほど普通には行われていないのかもしれません。~
//それはなぜでしょうか?~
//~たぶん、教員が学生とのコミュニケーションにかけられる時間が限られているからでしょう。~
// 研究業績を上げるためには実験をして論文を書かなければならないし~
// 外部資金の獲得のために申請書を山ほど書かなければならないし~
// 実験に必要な試薬を買ったら伝票を管理してウェブ入力しなければならないし~
// 試薬が届いたらそれぞれに帳簿を作って管理しないとならないし~
// 学内委員会の活動は沢山あるし~
// などなど~
//学生一人一人にレポートを書かせ、レポート一つ一つにコメントを書き込んで返却し、...~
//なんてことをやっていたのでは、いくら時間があっても足りません。ましてや、半期に2つも3つも授業をもった日には、、、レポートにコメントを書くだけで、一週間が終わってしまいます。。。。
// 
//***教員側の負担:「レポートを読んでコメントを返す」ことの大変さ [#r3735058]
//>
//授業の効果を高めるには、学生の「個」を意識したコミュニケーションを行うことが大切ですだと述べました。そのための方法として、
//|SIZE(14):学生一人一人のレポートをじっくり読み、丁寧なコメントを返す|
//のはとても良い方法です。しかし、残念ながら、
//|SIZE(14):COLOR(brown):それにはとても時間がかかる|
//という現状があります。学生とのコミュニケーションに''時間がかかる''という現状を、「ミニッツペーパー」を例にとって整理してみると、
//+紙を学生に配布して授業に対する意見や質問を数分を書かせる~
//毎回、紙を準備し、前もってアンケート内容を印刷しておくなどの準備、学生への配布に時間がかかる。
//+紙を回収して内容を読み、集計する~
//紙を回収する作業、殴り書きのような判別不明文字を読むところ、意見やコメントの集計に時間がかかる。大抵の場合、集計はエクセルなどで行うが、紙媒体のデータを電子データに手作業で変換するのも一苦労。
//+個別の意見に対しては、コメントを書き込む~
//学生とのコミュニケーションを確立するには、質問や意見にはレスポンスしなければならない。でも、同じ様なコメントを手書きでいくつも書いていたのでは、時間がかかるし、疲れてしまう。。。
//+コメントを返却する~
//コメントを書き込んだ紙を返却するのは、けっこう大変。授業時間で返すと時間がかかるし、ウェブページとかで一括表示しようとすると、学生の意見とそれに対するコメントを全て電子データにしなければならない。(→例:[[コア授業で回収した学生コメント>http://bean.bio.chiba-u.jp/lab/index.php?%BC%F8%B6%C8%2FH17%2F%C0%B8%CA%AA%A4%CE%C2%BF%CD%CD%C0%AD%A4%C8%BF%CA%B2%BD%2F%B7%C7%BC%A8%C8%C4#d078d4e3]])
//
//***学生側の負担:「最後の5分でコメントを書けなんて無理しょっ。面倒だし。」という現状 [#yb969b1e]
//>
//「ミニッツペーパー」はうまく使えば学生からの意見を集めるとても良い方法です。しかし、学生側にある程度の負担を強いることになります。
//+授業時間内で短い時間(数分)で意見や質問を書かなければならない~
//授業時間のぎりぎり一杯までスライドを使ったすごいスピードで説明をされて、最後の5分で授業にコメントしろなんて言われても、無理に決まってる。何を書こうか考えているうちに5分経ってしまうし。
//+教員からのレスポンスが無いと、意見や質問を書く気が失せる~
//アンケートに答えたり意見を書いたりしても、次の授業にそれが反映されるわけじゃ無いしなー。真面目に答えても仕方ないや。ま、いいか。適当に「そこそこ分かりました」って書いとけば。
//+手書きは面倒~
//こんな短い時間でいろいろ書くのはおっくうだなー。あれ、「おっくう」ってどういう字だったっけ?ああー、漢字が思い出せない。。。(ちなみに「億劫」です)
//
//***「教員と学生の間で、簡単にコミュニケーションが保てればいいなあ」 [#u392eba1]
//>
//と、講義を担当されている方なら、誰もが思うのではないでしょうか?ましてや、講義を行うことに慣れないうちは、学生が自分の話していることを理解してくれているのかどうか、不安になることがしばしばあるでしょう。そんなときに、多くの学生から忌憚ない意見が聞けると、大変ありがたいものです。とはいうものの、アンケート用紙を配ったって、上に書いたような理由で、なかなか意見を書いてくれるものではありません。また、コメントや集計にかかる手間は大変そうです。~
//~
//そこで、ここから先の話しでは、今年度の授業で私が行った、学生とのコミュニケーションを効率よく行う方法を紹介します。こういう方法で授業を行ったことが授業効率を高めたと評価され、賞を頂くことになったのだと思います。~
//ただ、最初にお断りしておかなければならないのですが、活用事例の話は~
//|SIZE(16):コンピュータソフトやウェブサーバーを活用することで、|
//|SIZE(16):時間と手間を減らすと同時に授業の効果を高めよう|
//というお話です。コンピュータやサーバの利用が不得手な人には、多少、理解や導入に難しい点があるかもしれません。でも、そういうのために、こうすれば簡単に応用できるというアイデアもいくつかお話します。
//
//**活用事例紹介:「ウェブサーバーを使えばこんなこともできるんだ」 [#xacc92cf]

//***まとめ:ウェブサーバを用いたコミュニケーションの利点 [#eb818ff5]
//>
// ○教員側の利点
// ・紙媒体を使わなくて良い(レポートをいちいち並び替える必要が無い)
// ・判読しがたい文字から逃れられる
// ・レポート間の比較が楽。同じような意見には、コメントの使い回しも可能
// ・電子データなので集計が容易。提出済み、未提出なども一目で分かる
// ○学生側の利点
// ・ウェブブラウザやメールから気軽に意見を提出できる
// ・いつでも好きなときにレポートの提出ができる(注:携帯電話の機能によります)
// ・教員から個別のレスポンスがすぐに得られる
// ・手書きよりも楽(ただし、人によっては手書きの方が楽だという人もいます)
//
//**導入に向けて:「私にはサーバーなんてとても無理」という方には [#b65d5981]
//>
//ここまで、効果的な授業を行うために、学生とのコミュニケーションにおいて工夫した事例をいくつか紹介しました。Pukiwikiの利用、メールによるアンケート受付、データベースソフトによるアンケートの集計、個人ページを用いたレポート返却と、ウェブサーバというものに全くの知識を持たない方には、導入は難しいと思います。
//~しかし、ちょっと工夫すれば、Pukiwikiやデータベースを使わなくても、上のようなことは簡単に実現可能です。
//***ブログやSNS(ソーシャルネットワークシステム)を利用する [#v0642162]
//>
//自分自身の、あるいは千葉大学のウェブサーバを利用しなくても、世の中には無料でウェブ経由のコミュニケーションを可能にしてくれるサービスが沢山あります。ブログやSNS(Mixiが有名)を上手に利用し、学生と教員の間で外部からの閲覧ができないような共有ページを作成することができます。
//***[[Googleグループ>http://groups-beta.google.com/?hl=ja]]の利用 [#i163864b]
//>
//Googleには様々なサービスがありますが、[[Googleグループ>http://groups-beta.google.com/?hl=ja]]もその一つです。Googleにアカウント登録をして、一人一人の学生とグループを作成すれば、レポートの提出やコメントの返却がやりやすくなります。
//***パソコンでのデータベースソフトの利用 [#m9944dd0]
//>
//ウェブページでデータベースを公開するのは難しくても、メールでレポートを集めるならば、自分のコンピュータ上でデータベースを利用して集計するとかなり便利です。File Maker Proなどを使えば、学生の写真も登録でき、コメントを書いているうちに、顔と名前が一致することでしょう。
//~>> File Maker Proを使用したレポート採点の例[[KJ_restricted]]
//
//**導入に向けて:「Pukiwikiとかを自分で使ってみたい」という方には [#q8766870]
//***Pukiwikiが使えるシステム環境 [#x9b89a81]
//>
//PukiWikiは日本語対応のPHPがインストールされているサーバで動きます。
//***Webホスティングサービスの利用 [#b3cc8012]
//>[[総合メディア基盤センター>http://www.imit.chiba-u.ac.jp/index.html]]では今年度からウェブホスティングサービスの試験運用を始めています。現在はPerlのみ使用可能だということですが、将来的にはおそらく、PHPも使用できるようになるでしょう。PHPが利用できるようになれば、Pukiwikiの導入は非常に簡単です(下記リンクからPukiwikiのインストール方法をご覧下さい)。万一、Perlのみの利用に制限されていても、[[Freestyle Wiki>http://fswiki.poi.jp/wiki.cgi]]など、Perlで動作するウィキで同様のことができます。
//~ウェブサーバのシステム管理はけっこう大変なので、総合メディア基盤センターさんにお任せできると、とても便利になりそうです。
//***一般のホスティングサービスの利用 [#n08a3842]
//>一般のホスティングサービスでも、PHPやPostgreSQLが利用可能なものが沢山あります。最も安価なところで、800円/月ぐらいです。
//***自分でサーバを準備する [#mef08481]
//>総合メディア基盤センターに固定IPアドレスを申し込んでウェブサーバを構築します。Windows, Mac, Linuxのいずれでも、上記の作業に必要なサーバが構築できます。研究室に古くなったパソコンが眠っていれば、サーバ専用機として蘇らせてあげることもできます。但し、サーバの構築は、ネットワークの設定やセキュリティーなどに或る程度の知識が必要とされます。
//***必要ソフトウェア [#b9fcf1a7]
//>下のページから情報が得られます。
//-Pukiwiki  http://pukiwiki.sourceforge.jp/
//-PHP   http://jp.php.net/manual/ja/
//-PostgreSQL  http://www.postgresql.jp/
//~
//~
//以上。
//~