*最尤法による系統樹探索 [#rdb14008]
今年度の授業ではPAUP* betaを用いずに系統推定を行う。
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PAUP* betaとmodeltestを用いて最尤系統樹推定を行う方法の解説はこちら → [[H22年度授業bbs>http://bean.bio.chiba-u.jp/lab/index.php?plugin=attach&refer=%E6%8E%88%E6%A5%AD%2FH22%2F%E7%B3%BB%E7%B5%B1%E5%AD%A6%E7%89%B9%E8%AB%96%2Fbbs&openfile=6th_lesson_2010.pdf]]
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今回は、全てフリーソフトを用いて演習を実施する。
+モデルの選択: jmodeltest  http://darwin.uvigo.es/software/jmodeltest.html
+選択されたモデルを用いた最尤系統樹の探索: PHYML  http://www.atgc-montpellier.fr/phyml/~
http://www.hiv.lanl.gov/content/sequence/PHYML/interface.html~
(マニュアル: http://www.atgc-montpellier.fr/download/papers/phyml_manual_2009.pdf)

PHYMLはPAUP* betaよりも扱うことのできるモデルの数が少ないが、フリーソフトの中では一番多くのモデルに対応している。

**1. jmodeltestのダウンロードとモデルの選択 [#n80aad0a]
-jmodeltestのページ(http://darwin.uvigo.es/software/jmodeltest.html)にアクセスして、氏名、メールアドレスなどを入力して、ダウンロード。~
MacOS, Windows XP, Linux等で使える。
-jmodeltestを起動し、サンプルファイル[[Pedic_align.fst >http://bean.bio.chiba-u.jp/lab/index.php?plugin=attach&refer=%E6%8E%88%E6%A5%AD%2FH17%2F%E7%B3%BB%E7%B5%B1%E5%AD%A6%E7%89%B9%E8%AB%96%2FPAUP%2A%E4%BD%BF%E7%94%A8%E6%B3%95&openfile=Pedic_align.fst]]をダウンロードする
 File > Load DNA alignment
-Numbers of substitution schemeの数を3に設定して、24個のモデルのもとで、尤度を計算。デフォルトでは88個のモデルを検討できるが、次に行うPHYMLの解析で、使えるモデルの数が限られているので、ここでは24個のモデルを検討。
 Analysis > Compute likelihood scores to start the analysis.
--結果は画面にも表示されるが、Results Tableに一覧表として保存されている
 Results > Show results table
-最適モデルを選択する。AIC, AICc, BIC等を用いて、最適モデルを選択する。例えば、AICの場合
 Analysis > Do AIC calculations
解析結果は画面にも表示されるが、Results Tableの中のAICのタブに保存される
その他、AICc, BICについても同様の操作をしておく。
なお、使えるモデル選択の基準は、 
--Akaike Information Criterion (AIC) (Akaike 1974)
--Akaike Information Criterion corrected for small sample sizes (AICc) (Hurvich and Tsai 1989)
--Bayesian Information Criterion (BIC) (Schwarz 1978),
--Decision-theoretic performance-based approach (DT) (Minin et al. 2003)
-結果のテーブルを見て、最適モデルを選択。AICの場合、テーブルのAICカラムをクリックして並び替えると、最小のAICを持つモデルが一番上にくる。
 Results > Show results table
--今回の例では、HKYが最適モデル。Results tableでこのモデルのパラメータ設定を見て確認。

**2. PHYMLによる最尤系統樹推定 [#v2361001]
-サンプルファイル[[Pedic_align.fst >http://bean.bio.chiba-u.jp/lab/index.php?plugin=attach&refer=授業%2FH17%2F系統学特論%2FPAUP%2A使用法&openfile=Pedic_align.fst]]をPHYLIP形式に変更(ReadSeqを使う。うまく行かなかったら、FASTA形式のママでも良い)
-PHYMLのウェブサービスにアクセス
--PHYLIP形式を利用(PHYMLのウェブページ):http://www.atgc-montpellier.fr/phyml/
--FASTA形式を利用:http://www.hiv.lanl.gov/content/sequence/PHYML/interface.html
-jmodeltestの結果に従って、モデルとパラメータを選択

**3.課題(提出期限: 7月19日(火曜) [#e6c2d573]
>1.データファイル(&ref(./DIPTERO.PHYLIP);)をダウンロード~
>1.データファイル(&ref(./DIPTERO.PHYLIP); または &ref(./DIPTERO_win.phy);)をダウンロード~
outgroupはTilia

>2.jmodeltestを使って尤度データを得る。また、AIC, AICc, BICを用いて最適モデルを選択~
 以降の系統推定には、AICcで選択されたモデルを使う

>3.PHYMLのウェブサービスにアクセス: http://www.atgc-montpellier.fr/phyml/~
データファイル: DIPTERO.PHYLIP をアップロード~
上で選択した最適モデルに従って、解析パラメータを設定

>4. メールで届くtree fileを TreeView等で開けば、系統樹を見ることができる~
系統樹部分を切り取って、画像ファイルとして、メールで提出~
メールの件名は
 最尤法課題(学籍番号)
にすること。

>6. 発展学習: 可能ならば、前回と同様に、最尤系統樹にブーツストラップ値を着けたものを提出すること(加点対象)。