WordとPowerPointの共通操作:図形や画像で表現力を高める

第7回授業の獲得目標: [worried]

Wordを使ってできる「読みやすい」レポート

あなたのメッセージを分かりやすく相手に伝えるために、Wordを使ってできる限りのことをしよう

採点者は、たくさんのレポートに目を通さなければならない。そんなとき、読みやすいレポートがあると、良い点をつけたくなる。自分の主張を採点者に少しでも分かってもらうためには、ワープロを使ってできる限り読みやすくしたいもの。では、どんなレポートが読みやすいか、いくつか列挙しておこう。

実際の手順:

  1. Wordを起動する
  2. 長いレポートなら、表紙を作る(※短いレポートなら不要。1枚だけのレポートに表紙はつけないほうが、省資源にもなる)
    • 千葉大のホームページから、千葉大のロゴマークをコピーして、表紙に貼ってみよう。ウェブページの画像はコピー・ペーストでワード文書に貼り付けることができる
      1. 千葉大ロゴを右クリックして「画像をコピー」
      2. ワードのページにペースト
    • タイトル、学籍番号、氏名、提出日を入力
    • メニューバーの「挿入/改ページ」で、文書の最後にページ区切りを挿入
    • タイトル関係の文字を選択し、センタリング(中央揃え)
    • 学籍番号等の情報を選択し、ルーラーで右寄せ
  3. 本文に文章を書き込む
    • ある程度の長さのレポートを各場合、
      要旨(摘要)
      本論
      結論
      引用文献
      とか
      要旨
      序論
      材料と方法
      結果
      考察
      引用文献
      とか、最初に構成を決めておくと書きやすくなる
  4. ページ番号(ヘッダー・フッター)を作成
    • メニューバーの「表示/ヘッダー・フッター」でフッターに頁番号を入れる
      • ツールバーの「#」をクリックすると頁番号が入る
      • 「頁番号の書式指定」を選んで、「1ページだけ別指定」、「開始番号」を0にすることで、表紙にページ番号が入らない。
      • 文字の大きさや書体を見やすいように整える
  5. 表の作成は罫線ツールバーで
  6. 図の作成は描画ツールバーで
  7. WinShotを使って、論文から図を切り取ってきて証拠に使う [smile]
    • クジラとカバに近縁であることを示した論文を見る。Nikaido et al,1999, PNAS
    • クジラとカバの関係を示した系統樹を表示させる
    • デスクトップに移動し、WinShotを起動
    • クジラとカバの系統樹に戻り、画面右下のタスクトレイに入っているWinShotアイコンを右クリック。「クリップボードにコピー/矩形選択」を選ぶ
      • クリップボードは画像や文字データを一時的に保存しておく場所。コピーされたり、切り取られたデータはクリップボードに置かれる
    • 画面から切り取りたい部分をマウスのドラッグで選択し、最後にクリック。これで画像がコピーされた
    • Wordの書類に行きペースト
    • 画像を右クリックし、レイアウトで、文字と画像の関係(背面、全面、回り込みなど)を調整する
    • 図には必ず番号とレジェンド(説明)をつける。引用もとも明示する。
  8. 引用文献を証拠に使って、相手を納得させよう
    • レポートの中で、他人の意見と自分の意見を区別するのはとても大切。他人の意見(つまり、そういう意見があるという事実:上の説明にあったカバの系統関係など)は、文章の後の()内に文献を引用しておくことで、その意見がいつ、誰が、どの雑誌に発表した意見であるかを示すことができる。つまり、文献引用することで、「そういうことが言われた事実があるということ」証拠を示している。レポートの場合は、そういう、文献データ(事実)を証拠として、なんらかの結論を導き出し、自分の意見として提出することが求められている。目指すところは、
      いろんな証拠を使って、自分の意見ややったことを相手に納得させること!

レポート作成の操作例:

  1. 表紙の作成
    • タイトル、学籍番号、氏名、提出日を入力
      植物分類野外実習レポート
      07s4099
      東浪見花子
      2007年5月31日
    • 【操作】
      • Untitled-5.gifなどのアイコンをクリックして操作
    • タイトル関係の文字を目立つ大きさ・書体にし、センタリング(中央揃え)
    • 学籍番号等の情報を選択し、ルーラーで右の方に寄せる(文字の配置自身は左寄せ)
    • 日付をセンタリング
    • メニューバーの「挿入/改ページ」で、文書の最後にページ区切りを挿入
  2. 2ページ目にレポートの構成を書き込む
    はじめに
    
    目次
    
    1.実習場所と実施日
    
    2.観察植物リスト
    
      ・リストの作成方法
    
      ・作成したリスト
    
    3.注目した植物の観察結果
    
      1.
    
      2.
    
    おわりに
    
    参考文献
    • 注:レポートの例に合わせて、構成の見出しを前回の説明と変えてある
    • 上の囲みの中をコピーして文書にペースト
    • それぞれの最上位の見出し行(1. 実習場所と実施日、 2. 観察植物リスト など)をダブルクリックして選択し、「スタイル」から「見出し1」設定(文字の大きさが自動的に変わる)
      • 下位の見出し(・リストの作成方法 など)は、「スタイル」から「見出し2」に設定
      • 書式は「書式のコピー・ペースト」Untitled-2.gifで簡単に行える
      • 慣れてきたら、よく使う書式は「スタイル」に登録しておくと便利
    • ページの下の方に頁番号をつける
      • メニューバーの「挿入/ページ番号」をクリックする。その際、表紙には頁番号を入れたくないので、「最初のページに頁番号を挿入する」チェックボクスをオフにする
      • 2ページ目の下に「2」という数字が表示されている。これをダブルクリックするとフッター(ページ下部に共通して表示させる文字)が編集できる。「頁番号の書式指定」を選んで、「開始番号」を0にする
      • 頁番号の文字を選択し、「Times New Roman 10 ポイント」にする
      • 終わったら「閉じる」
  3. 表の作成
    • 「表の作成」アイコンUntitled-3.gifをクリックして、目的とする表の行数・列数をマウスのドラッグで指定する。
    • エクセルで表を作っておき、コピー・ペーストするのも簡単
    • 表の罫線の書式は「罫線」のアイコンUntitled-4.gifをクリックして行う。
  4. 図の作成
    • 描画ツールバーを表示させる。「メニューバー/表示/ツールバー/図形描画」
    • いろんな図を利用できる → Power Pointの作業と共通する部分が多いので、そちらで解説。

正規表現熟語集:後方参照に慣れる [smile]

前回初めて触れた正規表現の後方参照。分からなかったという意見もけっこう多かった。そこで、もうすこし練習して、使い方に慣れてみよう。まずは、前回できなかった演習問題から。

練習:日付データの形式変更

下に友達の誕生日リストが月、日、年の順で書かれている。

April 29, 1984
March 20, 1987
September 23, 1980
December 23, 1982
February 11, 1984
January 1, 1999
May 3, 1988
May 4, 1993
May 5, 1987
November 23, 1985
November 3, 1994

解説

前回の発展課題の解説

前回の発展課題は、上のような文字列の並び替えを、正規表現を使って行うものだった39人のうち11人がこの課題に挑戦し、10人が正解だった。特に1回の検索・置換でこの課題を解いた人も数人いた。



なお、正規表現の例をもっと知りたければ、昨年度の学生の要望で作った、授業/H20/情報処理/正規表現熟語帳を参照してみよう。

やりたいこと検索文字列対象文字列の例置換文字列置換された結果例コメント
1行に含まれる全ての文字列を置換^.*$abcdefg hijklmn 12345
opqrstu vwzya 98765
Replaced!Replaced!
Replaced!
連続する半角スペースをタブに置換[ ]+abc def hij k¥tabc<tab>def<tab>hij<tab>k
AまたはKをZに置換[AK]BACK BaKery KABAZBZCZ BaZery ZZBZ
AまたはKとそれに続く任意の1文字をZに[AK].BACK BaKery KABAZBZZBaZry ZBA
スペース以外の文字列の連続をtangoに置き換え[^ ]+I am a boy. You are a girl.tangotango tango tango tango tango tango tango tango
1行を行頭からスペースで4つのパートに区切り、順序を逆に並べ替え^([^ ]+) ([^ ]+) ([^ ]+) (.*)$12 34 56 78 90
Que sera, sera. Whatever will be.
¥4 ¥3 ¥2 ¥178 90 56 34 12
Whatever will be. sera. sera, Que

表にあげた以外の正規表現で同じ操作を行うこともできる

Wordを使った文書作成に習熟する [smile]

前回に引き続き、Wordの機能をいくつか解説する。

準備:ツールバーのカスタマイズ

よく使う項目をツールバーにまとめておくと、操作が非常に楽になる。
#07_3.gif

準備:初期設定で余分な機能をオフ

ワードの初期設定では、行頭の英文字が勝手に大文字になったり、箇条書きリストを作ると勝手に番号がついたりする。オートコレクトなどの機能はデフォルトでオンになっているので、必要がなければオフにしておく。
#07_5.gif#07_4.gif

テンプレートを用いたレポート作成

前回、レポート作成のために書式を整える作業について解説した。また、そういう機能を使って、架空のレポートを提出してもらった。
読みやすさを求めるには、フォントの種類や大きさを変えたり、行間を整えたり、いろんな手間が必要になる。しかし、こういった作業を何度も繰り返してやるのは面倒。そこで、自分専用テンプレート(ひな形)を1つ作っておく。そうすれば、今後のレポート作成のときには、ひな形に合わせて内容を書き換えるだけで、見栄えのいいレポートができることになる。
右のリンクから、レポート作成のためのテンプレートをダウンロードしてみよう。これは、レポート提出用のPukiwikiページのトップページに添付されているので、ダウンロードにはアカウントとパスワードの入力が必要だ。
このファイルを開くと、レポートで使われる様々な書式設定の見本と解説が載っているのが分かる。説明を読みながら、自分用に内容を変更すれば、自分だけのためのレポート用のテンプレートが作成できることになる。
授業では全てを解説している時間は無いので、いくつかの項目を抜き出して解説する。残りは自分で読んで、いろいろと変更して、機能を体験して欲しい。

スタイルの変更:

Wordの文書では、要素ごとにスタイルが設定することができる。この場合、基本のスタイルを変更すれば、そのスタイルが適用されている部分の書式を一度に変更できる。

書類の中への画像データの挿入

Wordの文書に画像を挿入する場合、行内に挿入する場合と、位置を固定せずに挿入する2つの場合がある。ダウンロードしたテンプレートに解説があるが、行内への挿入は次のようにすればできる。

Word以前の問題: レポートにはメッセージが不可欠

Wordを使えるようになったからといって、良いレポートが書けるわけではない
伝えたいメッセージ(主張)が無ければ、良いレポートなんて書けやしない

下の本は、レポートを書くということについて、具体的に分かりやすくまとめられている。

CV098.jpg

戸田山 和久. 論文の教室—レポートから卒論まで. 297ページ. 出版社: 日本放送出版協会 (2002/11)

(あと、今日Google検索をして見つけたんですが、テクニカルライター・冨永敦子さんの「プロから学ぶ「分かりやすい文章の書き方」講座」も参考になりそうです。)

メッセージを文章で表現することの大切さ

第7回授業の課題

課題4:班ごとのプロジェクトの相談と企画書の提出 (提出は各班のリーダーのみ)

7月15日の授業では、班ごとにプロジェクトの成果をPowerPointで発表してもらいます。

  1. 班ごとに、次の項目を相談して、プロジェクトの企画書をMSWordで作成し、6月9日(水)正午までに、梶田まで、メールの添付書類で提出してください。
  2. 企画書に含む項目:
    • プロジェクトタイトル:
    • メンバーの氏名
    • プロジェクトの概要(100文字以上)
    • プロジェクトの魅力(100文字以上)
  3. メールの件名は「プロジェクト企画書」にしてください。
    • 評価の基準:
      プロジェクトの魅力が読み手に伝わるかどうか。タイトル、見出し、内容はそれぞれ読み手に分かりやすいよう、書式(文字の大きさ、書体など)に配慮してください。