汎熱帯海流散布植物の研究では、これまでに様々な国で現地調査を行ってきた。調査許可申請の手続きにかかる労力や、許可を得るまでにかかる時間も、国によって様々。これから海外調査を計画している人に、少しでも役にたてればと、我々が行った調査許可申請の必要手続きをまとめておくことにした。ただし、調査許可申請の手続きや書式は、それぞれの国でしばしば変更されるので、申請直前に現地機関に再確認する方がよい。
注)* ポルトガル語で作成されたものをブラジル側カウンターパートがCNPqに提出
ブラジルは生物資源の保護に力を入れており、外国人が無許可で動植物を採集していると逮捕されることがあるので注意が必要。調査許可申請は、CNPqの指定研究機関からでないとできないはずなので、カウンターパートの選択も重要。
1999年と2005年にリオデジャネイロ植物園の研究者にカウンターパートになってもらって調査をおこなった。CNPqへの提出書類は全てポルトガル語で作成しなければならないので、カウンターパートには相当の苦労をかけることになる。CNPqへの申請は、3名の専門家によってレビューされる、問題がなければ許可が下りる。書類を提出してから、正式許可が下りるまでの日数はかなりかかるので、準備には相当時間を費やす必要がある。
注)*スペイン語で記入
**現地研究機関経由の申請の場合は不要 (1999年の申請時には不要だった)
1999年には現地機関を通さずに上の手続きを行い、調査許可を得ることができた。今回はOTSという現地機関の協力を得て、調査許可申請を行うことを計画している。他にもINBIOという研究機関で、調査許可申請を手伝ってくれる。ただし、これらの研究機関を通す場合には、独自のルールがもうけられている(詳しい情報はそれぞれのウェブサイトにある)。申請代行手数料が100$ほどかかったり、機関宛の報告書提出義務があったりするが、こういう機関を通す方が、申請は楽かもしれない。代金を払えば、申請書をスペイン語に翻訳してくれるそうだ。
- 2007-01-25 (木) 06:31:18 -- 2007年1月に実施した調査では、2006年11月に始めに申請書類をOTSに郵送した。調査許可が得られたという連絡は12月12日に来たので、約1ヶ月で許可がえられたことになる。OTS経由の申請は、担当者がe-mailで頻繁に連絡してくれるので、非常に楽だった(自分で直接MINAEに申請したときは、FAX1回、電話1回のみなので簡単と言えば簡単だが、現地に着くまで申請書が受理されているかどうか分からなかった)。
- 2007-01-25 (木) 06:36:07 -- 参考までに、申請書類の記入例を添付しておいた。
1999年と2001年に調査をおこなった。申請書は英語で書けばよいし、QCNEのスタッフも協力してくれるので、比較的楽に調査許可が得られた。
2001年に調査をおこなった。STRIは受け入れ態勢が非常にしっかりしているので、事前の申請も、到着後の調査も、非常に効率よく行えた。研究内容に応じて各地のステーションをうまく利用すれば、調査がはかどると思う。