「編集中!!!」WordとPowerPointを使った文書作成: レポート・申請書・プレゼンの作成を例に †
「伝わる」ということの大切さ †
ポイント: あなたのメッセージを分かりやすく相手に伝えるために、最低現、WordやPowerPointを使ってできることはしておこう
第2回の授業で述べたようなレポートについての諸注意は、各自でよく考えて、十分にトレーニングする必要がある。申し訳無いけれど、この授業でこれといった即効性のあるテクニックは教えられない。でも、ワードを使って可能な限り読みやすいレポートを作り、採点者による減点を減らす努力はできるだろう。採点者は、たくさんのレポートに目を通さなければならない。そんなとき、読みにくいレポート(例えば、判読しがたい字で書き殴ったようなレポート)があると、減点をしたくなるのは当然だろう。
- つまり、レポートの最低要件として、
読者に内容が伝わること
が必要だ。
- 1. どのようなレポートを求められているのかを十分理解すること。「簡潔な説明」を求められている場合もあるし、「詳細な証拠を用いた論述」を求められている場合もある。
- 2. 趣旨に応じた長さのレポートにすること(不要なデータを加えて無理矢理長さを伸ばすのはだめ)
- 3. 何ページもあるようなレポートには表紙をつけること。1頁だけで済むようなレポートに、表紙は必要無い。
- 4. ページ数が非常に多く、章立てが必要になるようなら(例えば卒論や修論)、目次をつけること。
(※表紙や目次の要・不要は担当教員によっても違うので、確認すること)
- 5. 学籍番号、氏名は必ず書くこと
- 6. 複数ページにわたるレポートでは、最初に摘要や要旨を作ること。メッセージは短い文章で伝えられると、わかりやすい。
- 7. 見出しを効果的に使うこと。それによって、そのセクションで自分が主張したいことの種類や内容を、相手に簡単に伝えることができる
- 8. 読みやすい文字(フォントの大きさ、フォントの種類、色遣い)、やレイアウトにも気を遣うこと
- その他、「第2回授業・レポートってどういうもの?」なんかも見ておこう。
では、moodleページからダウンロードしたレポート作成用テンプレートを使って、Wordを使って「読者に伝わりやすく」するための機能を、一通りみていこう。
以前、Wordの使用についてアンケートをした結果、次のような回答が得られた。この授業では、いろんな機能について、ほとんどの受講者が「調べればできる」になることを目指して、Wordの使用方法の概要を解説すると共に、実際にWordを使って伝わる文章を書くときの留意点についても、触れてみたい。
Wordのレポートテンプレートで、Wordの機能を一覧する †
- 授業moodleページから、Word_report_template.docをダウンロードして開こう。
テンプレートを用いたレポート作成 †
レポート等の文書を作成する場合、読みやすさを求めるには、フォントの種類や大きさを変えたり、行間を整えたり、いろんな手間が必要になる。しかし、こういった作業を何度も繰り返してやるのは面倒。そこで、自分専用テンプレート(ひな形)を1つ作っておく。そうすれば、今後のレポート作成のときには、ひな形に合わせて内容を書き換えるだけで、見栄えのいいレポートができることになる。
上でダウンロードしたファイルを開くと、レポートで使われる様々な書式設定の見本と解説が載っているのが分かる。説明を読みながら、自分用に内容を変更すれば、自分だけのためのレポート用のテンプレートが作成できることになる。
授業では全てを解説している時間は無いので、いくつかの項目を抜き出して解説する。残りは自分で読んで、いろいろと変更して、機能を体験して欲しい。
演習:ダウンロードしたレポート作成用テンプレート?を使って、架空のレポートを作る †
- Wordを起動して、レポート作成用テンプレートを開く。
新規作成で新しい文書を作成し、&ref(): File not found: "report_example.docx" at page "授業/H26/情報処理/15";と同じようなものが作れるかを試すのが、この演習の目的。
- このテンプレートには、「コメント」機能を使ってコメントが書かれている。これを見えなくするには、メニューバーの「校閲」のところから、「最終版」に切り替えてみよう。
ちなみに、同じメニューから、「変更履歴」を「オン」にすると、この文書に加えられた変更点が吹き出しや、カラーで表示される。複数の人で同じファイルを編集するとき(例えば、共同で論文を書くとき)には必須の機能だ。
- 長いレポートには表紙が必要(※短いレポートなら不要。1枚だけのレポートに表紙はつけないほうが、省資源にもなる)
- 千葉大のホームページから、千葉大のロゴマークをコピーして、表紙に貼ってみよう。ウェブページの画像はコピー・ペーストでワード文書に貼り付けることができる
- 千葉大ロゴを右クリックして「画像をコピー」
- ワードのページにペースト
- タイトル、学籍番号、氏名、提出日を入力。
- タイトル関係の文字を選択し、センタリング(中央揃え)
- 学籍番号等の情報を選択し、ルーラーで右寄せ(ルーラーが表示されていないときは、「表示」タブで表示させる)
- 本文に文章を書き込む: 新しいページの作成
- 見出しの設定:
- それぞれの最上位の見出し行(要旨、本論、結論とか)をダブルクリックして選択し、「スタイル」から「見出し1」に設定(文字の大きさが自動的に変わる)
- 下位の見出し(上の例で「リストの作成方法」 など)は、「スタイル」から「見出し2」に設定
- 書式は「書式のコピー・ペースト」で簡単に行える
- 慣れてきたら、よく使う書式は「スタイル」に登録しておくと便利
- 挿入タブから、ページ番号をページの下部に挿入
- (ヘッダー・フッターの部分をクリックすると、、「ヘッダー・フッターツール」が表示される。ページ番号や日付などを挿入できる)
- 表紙にはページ番号を入れたくないので、「先頭ページのみ別指定」にしておく。
- この場合は、「開始番号」を0にすることで、表紙にページ番号が入らない。
- 文字の大きさや書体を見やすいように整える
例えば、頁番号の文字を選択し、「Times New Roman 10 ポイント」にする
- 終わったら「閉じる」
- 表の作成は「挿入」タブから罫線ツールで
- 「表の作成」アイコンをクリックして、目的とする表の行数・列数をマウスのドラッグで指定する。
- エクセルで表を作っておき、コピー・ペーストするのも簡単
- 表の罫線の書式は「罫線」のアイコンをクリックして行う。
- 図の作成は「挿入」タブから図形ツールで
- □や○などの基本図形や矢印、吹き出しなども自由に作成できる
- いろんな図を利用できる → Power Pointの作業と共通する部分が多いので、次週解説。
- 論文やデジタル画像から図を切り取ってきて証拠に使う
- 例:
クジラとカバに近縁であることを示した論文を見る。Nikaido et al,1999, PNAS
- クジラとカバの関係を示した系統樹を表示させる
- Snipping Tool(あるいはPrtSc)で使いたい図を切り取る
- Wordの書類に行きペースト
- 画像を右クリックし、レイアウトで、文字と画像の関係(背面、全面、回り込みなど)を調整する
- 図には必ず番号とレジェンド(説明)をつける。引用もとも明示する。
- 目次の挿入
作成する文書が長くなってくると、目次をつける必要がある。目次は、見出しのところに「見出し」スタイルが適用されていると、自動的に作成することができる。
- (上述)文章中の見出しに、見出しスタイル(「見出し1」、「見出し2」など)のスタイルを当てはめる。
- (上述)文字列を右クリックして、コンテキストメニューからスタイルを選び、見出しを選ぶ
- (上述)フッターを挿入し、ページ番号を表示させておく。
- 目次を挿入したい場所にカーソルを移動し、「参考資料」タブから「目次」を挿入
Wordを使った文書作成に習熟する †
Wordはさまざまな機能を持っている。上ではレポート作成に必要なごく一部の機能だけを紹介したが、さらに、卒業論文の作成などで便利な機能もいくつか紹介しておこう。
スタイルの変更: †
Wordの文書では、要素ごとにスタイルが設定することができる。この場合、基本のスタイルを変更すれば、そのスタイルが適用されている部分の書式を一度に変更できる。
- ホームタブを開くとスタイルの一覧が表示される
- たとえば、「緒論」や「材料と方法」などの見出しには「見出し1」のスタイルが適用されている。
この見出し1の文字の色を黒からオレンジに変更してみる
- ホームタブで「見出し1」を右クリック。表示されるメニューから「変更」を選択
- 書式の変更で、「フォントの色」をオレンジに変更→見出し1が適用されている部分の文字の色が全てオレンジになった
さらに、他の見出し(見出し2, 見出し3等)の色も黒に変わった。
これは、見出し2などで基準にするスタイルとして「見出し1」がつかわれていたため。見出し2の色だけを変えたかったら、上と同様にして個別に変更。