Wordによる文書作成

授業中にわからないことがあったら、すぐにここに書き込んでください。できれば授業中に解説します

前回課題について:

第6回授業の獲得目標: [worried]

エクセルによるデータの並び替え・集計・グラフ作成のおさらい: 課題データを用いて [smile]

前回の課題は、厚生労働省統計表データベースシステムで公開されている、「1C 上巻 死亡 第5.12表_ 死因年次推移分類別にみた性別死亡数・率(人口10万対)」の表から1986年以降の男女別死亡数のみ抜粋した表(file2009_情報#05課題.xls)を使って課題の操作を行うことだった。多くの人ができていたが、並べ替え・集計はクラス全員に理解してもらいたい大事な項目なので、もう一度おさらいをする。また、関数とデータ型についても、少し説明する。

この説明はもう聞く必要がないという人は、次の正規表現のところを読んで、練習問題をやっておこう

セルの操作には関数を使おう!

エクセルの'関数'というはとても便利だ。たとえば、前々回の授業で使ったSUM()という関数は、()の範囲のセル中の値を合計してくれる。その他にも平均を出したければAVERAGE()という関数を使えばいいし、文字列の一部を抜き出したければLEFT()等の関数が使える。いろんな関数とその使い方は、ヘルプファイルに書かれているので見ておこう。
ここも一緒に操作しておさらい。よくつかう関数として、

average()
round()
countif()

注意:関数は非常に沢山あるので、全部覚えようなどと思う必要は無い。
      こんなことができると知っていれば、使う時にヘルプを見れば良い!

今日の正規表現:後方参照への挑戦 [smile]

これまでに基本的な正規表現の使い方をマスターした。今日は1つ上のレベルの正規表現「後方参照」にチャレンジしてみよう。K2Editorのヘルプで後方参照に関する項目を見てみると、次のように書かれている。

後方参照
正規表現の中で()を使ってグループ化された部分にマッチ文字列は、 \1,\2などの表現で、
再度正規表現の中に埋め込むことが可能です。 
\の後ろに続く数字は、何番目のグルーピングされた文字列かを示します。 
たとえば、(\w+)[ ]+\1 は "ABC ABC"や"ppp ppp"に対してマッチしますが、 
"ABC ppp"にはマッチしません。 
\の後ろに続く数字には制限はありません。ただし、1〜9までは常に後方参照と解されますが、
 \10以降は、その後方参照に対応するグループがない場合は、8進数のコントロール文字と
解されますので注意が必要です。 
また、本当に一桁の8進数のコントロール文字を書く場合には、 \001などという風に書きましょう。 
(K2Editorのヘルプファイルから後方参照の部分を抜粋)

ちょっと分かりにくいかも知れないが、半角の

()

の中で指定したパターンにマッチした文字列を、

¥1

などという記号を使うことで、呼び出すことができるということだ。
まず簡単な例で操作をしてみよう #06_2.gif
K2Editorで実際に試してみると:

テキストデータ  A9JA49K6
・AかKの次の1文字を削除
  検索文字列 ([AK]).
  置換文字列 ¥1
・Aに続く1文字とAの順序入れ替え
  検索文字列 (A)(.)
  置換文字列 ¥2¥1

書籍リストを出版年順に並び替える

では、もう少し具体的な例をつかって、段階的に説明してみよう。
まず、次のような書籍のリストがある。このリストを、K2Editorで開いてみよう。file書籍リスト.txt

まずは、これまでに習った正規表現で、どこまで解決できるか考えてみる

このリストには、出版年が含まれているにも関わらず、出版年の順番に並んでない。どうすれば、出版年で並び替えられるだろうか?
リストをよく見てみると

タイトル・著者,出版年,ページ・価格

という順番で並んでいる。ここで、

出版年だけを切り出して、
出版年 <タブ> タイトル・著者,出版年,ページ・価格

というリストを作り、エクセルにペーストして並び替えれば良いということまでは、想像できるだろう。
では、出版年だけを切り出すにはどうすればいいだろうか? まず、これまでにならった正規表現で表現できるところだけを書いてみると、

練習:日付データの形式変更

下に友達の誕生日リストが月、日、年の順で書かれている。

April 29, 1984
March 20, 1987
September 23, 1980	
December 23, 1982
February 11, 1984
January 1, 1999
May 3, 1988
May 4, 1993
May 5, 1987
November 23, 1985
November 3, 1994

文章作成の標準ソフトウェア:Microsoft Word [smile]

最初のアンケート調査でも多くの人がWordの使い方を知りたいと書いていた。MS Wordは現実的にパソコン上で動くワープロの標準ソフトになっているし、多くの人は、レポート作成を意識して使い方を知りたいと思っているのだろう。そこで、今回の授業では、Wordを使って文書を作る方法を解説する。
でも、その前に、

ワープロ原稿に既存の画像を貼り付けるための便利ツール:WinShot [smile]

WinShotというソフトウェアをダウンロードして、インストールしておこう。パソコン画面の保存・印刷等を行うことができる、とても便利なスクリーンキャプチャソフト。ウェブページからの画像の取り込みや、モニタに表示されている情報をそのまま画像として扱えるので、レポートの中に画像を添付したいときなど、とても便利。下のURLからLZH版をダウンロードして、インストール。
http://www.woodybells.com/winshot.html

Wordを使ってできる「読みやすい」レポート

あなたのメッセージを分かりやすく相手に伝えるために、Wordを使ってできる限りのことをしよう

採点者は、たくさんのレポートに目を通さなければならない。そんなとき、読みやすいレポートがあると、良い点をつけたくなる。自分の主張を採点者に少しでも分かってもらうためには、ワープロを使ってできる限り読みやすくしたいもの。では、どんなレポートが読みやすいか、いくつか列挙しておこう。

実際の手順:

  1. Wordを起動する
  2. 長いレポートなら、表紙を作る(※短いレポートなら不要。1枚だけのレポートに表紙はつけないほうが、省資源にもなる)
    • 千葉大のホームページから、千葉大のロゴマークをコピーして、表紙に貼ってみよう。ウェブページの画像はコピー・ペーストでワード文書に貼り付けることができる
      1. 千葉大ロゴを右クリックして「画像をコピー」
      2. ワードのページにペースト
    • タイトル、学籍番号、氏名、提出日を入力
    • メニューバーの「挿入/改ページ」で、文書の最後にページ区切りを挿入
    • タイトル関係の文字を選択し、センタリング(中央揃え)
    • 学籍番号等の情報を選択し、ルーラーで右寄せ
  3. 本文に文章を書き込む
    • ある程度の長さのレポートを各場合、
      要旨(摘要)
      本論
      結論
      引用文献
      とか
      要旨
      序論
      材料と方法
      結果
      考察
      引用文献
      とか、最初に構成を決めておくと書きやすくなる
  4. ページ番号(ヘッダー・フッター)を作成
    • メニューバーの「表示/ヘッダー・フッター」でフッターに頁番号を入れる
      • ツールバーの「#」をクリックすると頁番号が入る
      • 「頁番号の書式指定」を選んで、「1ページだけ別指定」、「開始番号」を0にすることで、表紙にページ番号が入らない。
      • 文字の大きさや書体を見やすいように整える
  5. 表の作成は罫線ツールバーで
  6. 図の作成は描画ツールバーで
  7. WinShotを使って、論文から図を切り取ってきて証拠に使う [smile]
    • クジラとカバに近縁であることを示した論文を見る。Nikaido et al,1999, PNAS
    • クジラとカバの関係を示した系統樹を表示させる
    • デスクトップに移動し、WinShotを起動
    • クジラとカバの系統樹に戻り、画面右下のタスクトレイに入っているWinShotアイコンを右クリック。「クリップボードにコピー/矩形選択」を選ぶ
      • クリップボードは画像や文字データを一時的に保存しておく場所。コピーされたり、切り取られたデータはクリップボードに置かれる
    • 画面から切り取りたい部分をマウスのドラッグで選択し、最後にクリック。これで画像がコピーされた
    • Wordの書類に行きペースト
    • 画像を右クリックし、レイアウトで、文字と画像の関係(背面、全面、回り込みなど)を調整する
    • 図には必ず番号とレジェンド(説明)をつける。引用もとも明示する。
  8. 引用文献を証拠に使って、相手を納得させよう
    • レポートの中で、他人の意見と自分の意見を区別するのはとても大切。他人の意見(つまり、そういう意見があるという事実:上の説明にあったカバの系統関係など)は、文章の後の()内に文献を引用しておくことで、その意見がいつ、誰が、どの雑誌に発表した意見であるかを示すことができる。つまり、文献引用することで、「そういうことが言われた事実があるということ」証拠を示している。レポートの場合は、そういう、文献データ(事実)を証拠として、なんらかの結論を導き出し、自分の意見として提出することが求められている。目指すところは、
      いろんな証拠を使って、自分の意見ややったことを相手に納得させること!

レポート作成の操作例:

  1. 表紙の作成
    • タイトル、学籍番号、氏名、提出日を入力
      植物分類野外実習レポート
      07s4099
      東浪見花子
      2007年5月31日
    • 【操作】
      • Untitled-5.gifなどのアイコンをクリックして操作
    • タイトル関係の文字を目立つ大きさ・書体にし、センタリング(中央揃え)
    • 学籍番号等の情報を選択し、ルーラーで右の方に寄せる(文字の配置自身は左寄せ)
    • 日付をセンタリング
    • メニューバーの「挿入/改ページ」で、文書の最後にページ区切りを挿入
  2. 2ページ目にレポートの構成を書き込む
    はじめに
    
    目次
    
    1.実習場所と実施日
    
    2.観察植物リスト
    
      ・リストの作成方法
    
      ・作成したリスト
    
    3.注目した植物の観察結果
    
      1.
    
      2.
    
    おわりに
    
    参考文献
    • 注:レポートの例に合わせて、構成の見出しを前回の説明と変えてある
    • 上の囲みの中をコピーして文書にペースト
    • それぞれの最上位の見出し行(1. 実習場所と実施日、 2. 観察植物リスト など)をダブルクリックして選択し、「スタイル」から「見出し1」設定(文字の大きさが自動的に変わる)
      • 下位の見出し(・リストの作成方法 など)は、「スタイル」から「見出し2」に設定
      • 書式は「書式のコピー・ペースト」Untitled-2.gifで簡単に行える
      • 慣れてきたら、よく使う書式は「スタイル」に登録しておくと便利
    • ページの下の方に頁番号をつける
      • メニューバーの「挿入/ページ番号」をクリックする。その際、表紙には頁番号を入れたくないので、「最初のページに頁番号を挿入する」チェックボクスをオフにする
      • 2ページ目の下に「2」という数字が表示されている。これをダブルクリックするとフッター(ページ下部に共通して表示させる文字)が編集できる。「頁番号の書式指定」を選んで、「開始番号」を0にする
      • 頁番号の文字を選択し、「Times New Roman 10 ポイント」にする
      • 終わったら「閉じる」
  3. 表の作成
    • 「表の作成」アイコンUntitled-3.gifをクリックして、目的とする表の行数・列数をマウスのドラッグで指定する。
    • エクセルで表を作っておき、コピー・ペーストするのも簡単
    • 表の罫線の書式は「罫線」のアイコンUntitled-4.gifをクリックして行う。
  4. 図の作成
    • 描画ツールバーを表示させる。「メニューバー/表示/ツールバー/図形描画」
    • いろんな図を利用できる → Power Pointの作業と共通する部分が多いので、そちらで解説。

第6回授業の課題

課題1.意見調査

課題2. 復習 : Wordを用いた仮想レポートの提出

内容:上で作成したような仮想レポートを

学籍番号.doc

というファイル名で保存して、メールの添付書類として tk.gifに送信しなさい。なお、メールの件名は

情報処理06(学籍番号)

とすること。内容は自由です(架空のもので構いません)。以下の点に注目して評価します。

表紙の見やすさ・レイアウト
目次が作成できているかどうか
見出のみやすさ
ページ番号がついているかどうか
新たな画像が追加されているかどうか
ワードの機能を利用して、いかに見やすく作成してあるか

発展課題:<希望者のみ提出してください:通常点に加点します>

予告: 次週の課題::班ごとのプロジェクトの相談と企画書の提出 (提出は各班のリーダーのみ)

来週は次のような課題を出して、班ごとのプロジェクトの内容を提出してもらいます。来週までに必ず班分けを終わらせておいてください。各班5名を目安にしていますが、多すぎる場合は来週の授業中に相談して2つに分割してもらいます。

来週の課題で提出してもらう企画書には、