WordとPowerPointの共通操作:図形や画像で表現力を高める

第7回授業の獲得目標: [worried]

  • 1. WinShotを用いたスクリーンキャプチャの方法に習熟する
  • 2. 正規表現:後方参照に慣れる
  • 3. Wordを使った文書作成に習熟する
  • 4. WordとPower Pointで共通する図の編集操作を習得する

WinShotを用いたスクリーンキャプチャ(画面の取り込み) [smile]


先週は説明の時間が少なかったので、WinShotを用いたスクリーンキャプチャについてもう少し習熟しよう(とはいえ、レポート課題では、ほぼ全員がスクリーンキャプチャと画像の添付に成功していた)。まずはWinShotを立ち上げると、タスクトレイにアイコンが現れる。

JPEG保存

JPEGというのは、ある方式で画像ファイルを処理してファイルサイズを小さくした画像の圧縮形式のことだ(参照:IT用語辞典。デジカメの画像等でもよく使われる。WinShotを用いて画面の一部をJPEG方式で保存したい場合、WinShotのアイコンを右クリックし、JPEG方式で保存するためのメニューを表示させる。
#07_2.gif

  • 画面の一部をマウスで指定して保存したいときは、「矩形範囲指定」を選び、マウスで切り取りたい範囲をドラッグ(前回課題の操作)
  • 画面全体を保存したい場合、「デスクトップ」を選ぶ。デスクトップの保存は、
    Shift+Ctrl+F10 (シフトキーとコントロールキーとF10キーを同時に押す)
    ことでも可能。WinShotのフォルダの中に画像ファイルができる。
    (コンピュータによっては、キーボードの「PrintScreen」を押すことでも可能)
    範囲指定が必要無いので、アプリケーションの実行中などに画面を取り込めるので、便利。

クリップボードにコピー

前回説明したが、WordやPower Pointの編集画面に画像を貼り付けたいとき、クリップボードにコピーしてから範囲指定をして貼り付けると便利。
#07_1.gif

Pukiwikiページへの添付(前回の課題3:予習課題)

  • WinShotでJPEG保存・矩形選択を選ぶと、デスクトップ上のおいたWinShotの入ったフォルダ(ws153等というフォルダ名)に「WS000001.JPG」などという名前でファイルが保存される。このファイルを、自分のPukiwikiページの「自分のID/06」というページに添付してみよう
    添付の方法:
     ・画面上部のメニューから「添付」をクリック
     ・「選択」ボタンをクリックして、添付すべきファイルを探す
     ・アップロード
  • うまく添付できたら、そのページの最下段に、そのファイルへのリンクが表示される。(クリックすると画像が表示される)。
  • この画像をページの中に表示するには、ページに次のように書き込む。
    &ref(./09s40XX.JPG);
    ()の中のファイル名が、アップロードしたファイル名と同じになっていれば、ページ内に画像が表示される

正規表現熟語集:後方参照に慣れる [smile]

前回初めて触れた正規表現の後方参照。分からなかったという意見もけっこう多かった。そこで、もうすこし練習して、使い方に慣れてみよう。まずは、前回できなかった演習問題から。

練習:日付データの形式変更

下に友達の誕生日リストが月、日、年の順で書かれている。

April 29, 1984
March 20, 1987
September 23, 1980
December 23, 1982
February 11, 1984
January 1, 1999
May 3, 1988
May 4, 1993
May 5, 1987
November 23, 1985
November 3, 1994
  • このリストを正規表現検索置換を使って、
    1. 年・月・日の順(例:1984 April 29)に並び替えなさい
    2. 日、月、年の順(例:29 April, 1984)に並び替えなさい

解説

  • まず、この課題では、月、日、年のそれぞれをどうやって正規表現で表すかを考える。
     April 29, 1984
    を見ると
    月: 行頭から始まって、半角英文字だけがいくつか連続した文字列
    日: 空白の次にくる半角数字の連続で次にカンマがくるような文字列
    年: 空白の次にくる半角数字の連続で最後が行末
    それぞれを正規表現で表すと、
    月: ^[A-Za-z]+
    日:  [0-9]+,   (注:正規表現前に空白が1つある)
    年:  [0-9]+$  (注:正規表現前に空白が1つある)
    そうすると、これらを左からならべた
    ^[A-Za-z]+ [0-9]+, [0-9]+$
      April 29, 1984
    にマッチするはずだ。
  • 次に、後方参照を考える
    後方参照というのは、()で正規表現を囲むことにより、
    その正規表現にマッチした文字列を、置換語として再利用できるものだった
    まず、上のそれぞれのパーツの正規表現を、カンマや空白の部分を除いて()で囲ってみると、
    ^([A-Za-z]+) ([0-9]+), ([0-9]+)$
    になる(ここは、()で囲むだけだから単純なことだ。この()で囲んだそれぞれの正規表現がマッチした文字列を、左から順番に
    ¥1 ¥2 ¥3
    という記号で、置換文字列に呼び出すことができる。つまり、1行目ではそれぞれ、次のように対応している。
    ¥1 → April
    ¥2 → 29
    ¥3 → 1984
    そのため、もし、置換文字列に
    ¥3 ¥2 ¥1
    と書いたばあい、これは1行目では、
    1984 29 April
    を表すし、2行目では、
    1987 20 March 20
    を表すことになる。
  • 解答例
    検索文字列:([A-Za-z]+) ([0-9]+), ([0-9]+)
    置換文字列:¥3 ¥2 ¥1
     あるいは
    検索文字列:^([^ ]+) ([^ ]+), ([^ ]+)$
    置換文字列:¥3 ¥2 ¥1
    • 補足:2番目の例では、([^ ]+)(意味:空白以外の1回以上の連続)が改行を含んでしまってるため、最後に1行の終わりを示す$をつけないと、うまく行かない。

前回の発展課題の解説

前回の発展課題は、上のような文字列の並び替えを、正規表現を使って行うものだった39人のうち11人がこの課題に挑戦し、10人が正解だった。特に1回の検索・置換でこの課題を解いた人も数人いた。

  • 学生の提出した解答例1
    検索文字列:^([A-Za-z ]+. )([A-Za-z]+ )\(
    置換する語:\2\1(
    • (ちなみに「 探し出すのに家で4時間、学校で2時間使いました(汗)」とのこと。お疲れ様でした!)
  • 学生の提出した解答例2
    検索文字列:^([^ ]+) ([A-Z.]+) ([^ ]+)
    置換文字列:¥3 ¥1 ¥2



なお、正規表現の例をもっと知りたければ、昨年度の学生の要望で作った、授業/H20/情報処理/正規表現熟語帳を参照してみよう。

やりたいこと検索文字列対象文字列の例置換文字列置換された結果例コメント
1行に含まれる全ての文字列を置換^.*$abcdefg hijklmn 12345
opqrstu vwzya 98765
Replaced!Replaced!
Replaced!
連続する半角スペースをタブに置換[ ]+abc def hij k¥tabc<tab>def<tab>hij<tab>k
AまたはKをZに置換[AK]BACK BaKery KABAZBZCZ BaZery ZZBZ
AまたはKとそれに続く任意の1文字をZに[AK].BACK BaKery KABAZBZZBaZry ZBA
スペース以外の文字列の連続をtangoに置き換え[^ ]+I am a boy. You are a girl.tangotango tango tango tango tango tango tango tango
1行を行頭からスペースで4つのパートに区切り、順序を逆に並べ替え^([^ ]+) ([^ ]+) ([^ ]+) (.*)$12 34 56 78 90
Que sera, sera. Whatever will be.
¥4 ¥3 ¥2 ¥178 90 56 34 12
Whatever will be. sera. sera, Que

表にあげた以外の正規表現で同じ操作を行うこともできる

  • ^には2つの意味があるので注意
    検索文字列の最初においた場合は行頭から始まることを示す
      ^[A-Z].* で、行頭がアルファベット大文字で始まる任意の文字列
    文字集合を表す[ ]の中で最初に置かれた場合、それに続く文字以外を表す
      [^a-z]+     で、英小文字以外の任意の文字からなる文字列
    参考:$は検索文字列の最後に置かれた場合、行末であることを示す
      [a-z]+$  で、行末に続く英小文字の連続を示す

Wordを使った文書作成に習熟する [smile]

前回に引き続き、Wordの機能をいくつか解説する。

準備:ツールバーのカスタマイズ

よく使う項目をツールバーにまとめておくと、操作が非常に楽になる。
#07_3.gif

  • 常にツールバーに表示されていると便利な項目
    • 書式のコピー・ペースト
    • 太字・斜体・下線・上付き文字・下付き文字・書式設定・罫線・書式・ズーム・フォント・サイズ・文字を大きく・文字を小さく・文字色・蛍光ペン

準備:初期設定で余分な機能をオフ

ワードの初期設定では、行頭の英文字が勝手に大文字になったり、箇条書きリストを作ると勝手に番号がついたりする。オートコレクトなどの機能はデフォルトでオンになっているので、必要がなければオフにしておく。
#07_5.gif#07_4.gif

テンプレートを用いたレポート作成

前回、レポート作成のために書式を整える作業について解説した。また、そういう機能を使って、架空のレポートを提出してもらった。
読みやすさを求めるには、フォントの種類や大きさを変えたり、行間を整えたり、いろんな手間が必要になる。しかし、こういった作業を何度も繰り返してやるのは面倒。そこで、自分専用テンプレート(ひな形)を1つ作っておく。そうすれば、今後のレポート作成のときには、ひな形に合わせて内容を書き換えるだけで、見栄えのいいレポートができることになる。
右のリンクから、レポート作成のためのテンプレートをダウンロードしてみよう。これは、レポート提出用のPukiwikiページのトップページに添付されているので、ダウンロードにはアカウントとパスワードの入力が必要だ。
このファイルを開くと、レポートで使われる様々な書式設定の見本と解説が載っているのが分かる。説明を読みながら、自分用に内容を変更すれば、自分だけのためのレポート用のテンプレートが作成できることになる。
授業では全てを解説している時間は無いので、いくつかの項目を抜き出して解説する。残りは自分で読んで、いろいろと変更して、機能を体験して欲しい。

スタイルの変更:

Wordの文書では、要素ごとにスタイルが設定することができる。この場合、基本のスタイルを変更すれば、そのスタイルが適用されている部分の書式を一度に変更できる。

  • メニューバー/書式/「スタイルと書式」を選択。画面右に「スタイルと書式」の作業ウィンドウが開く
  • 「見出し1」要素(オレンジ)の色を黒に変更してみる
    • 作業ウィンドウで「見出し1」を右クリック。表示されるメニューから「変更」を選択
    • 「スタイルの変更」ウィンドウが開くので、左下の「書式」をクリックし、「フォント」をクリック
    • 「フォント」ウィンドウで「フォントの色」を黒に変更→見出し1が適用されている部分の文字の色が全て黒になった
      さらに、他の見出し(見出し2, 見出し3等)の色も黒に変わった。
      これは、見出し2などで基準にするスタイルとして「見出し1」がつかわれていたため。見出し2の色だけを変えたかったら、上と同様にして個別に変更。

書類の中への画像データの挿入

Wordの文書に画像を挿入する場合、行内に挿入する場合と、位置を固定せずに挿入する2つの場合がある。ダウンロードしたテンプレートに解説があるが、行内への挿入は次のようにすればできる。

  • 【Wordでの操作:本文内への図の挿入】
    • WinShotでクリップボードにコピーした画像データを、Wordのページに貼り付ける
      • もし、画面に「図」のツールバーzu_tool.gifが出ていなかったら、「表示/ツールバー/図」で表示させる。
    • 貼り付けた図をクリックして選択したら、「図」ツールバーから「テキストの折り返しアイコン」Untitled-1.gifをクリックして、「四角」を選ぶ。
    • 図の大きさを適当に変更しながら、説明文を入力する。
      図の大きさを変えるときには、Shiftキーを押しながら図の4角の白四角をドラッグすると、
      縦横の比率が保たれたまま図を拡大・縮小できる

Word以前の問題: レポートにはメッセージが不可欠

Wordを使えるようになったからといって、良いレポートが書けるわけではない
伝えたいメッセージ(主張)が無ければ、良いレポートなんて書けやしない

下の本は、レポートを書くということについて、具体的に分かりやすくまとめられている。

CV098.jpg

戸田山 和久. 論文の教室—レポートから卒論まで. 297ページ. 出版社: 日本放送出版協会 (2002/11)

(あと、今日Google検索をして見つけたんですが、テクニカルライター・冨永敦子さんの「プロから学ぶ「分かりやすい文章の書き方」講座」も参考になりそうです。)

メッセージを文章で表現することの大切さ

WordとPower Pointで共通する図の編集操作を習得する [smile]

WordとPowerPointでは、図の編集操作はほとんど共通している。ここではPowerPointを利用して、図や画像の編集作業のいくつかを習得する。

Power Pointの操作

 Power Pointを起動すると、すぐに、白紙のスライド画面が開く。この白紙のプレートの上に、文字や図を配置する。ほとんどの操作がWordと共通。特に、Wordでやったテキストボックスによる文字入力は、Power Pointで文字を入力する場合の、基本操作。
(時間の都合によっては予習課題にする)

模式図の作り方

  • ミトコンドリアの模式図を作る
    • Untitled-8.gif
  • 下の書類をダウンロードし、Power Pointで開く
  • Power Pointの基本図形を使って、ミトコンドリアの模式図を作ろうとした例。
    • 外膜、内膜をもっと厚くするとか、外膜、内膜、クリステやマトリクスといった部位名称を書き込むとか、働きについてコメントを書くとか、用途によっていろいろ表現する。
  • 基本操作:
    • グループ化
    • 位置合わせオン・オフ
    • 順序
    • Shiftキーを押しながら拡大・縮小(縦横比の維持)

第7回授業の課題

課題4:班ごとのプロジェクトの相談と企画書の提出 (提出は各班のリーダーのみ)

7月15日の授業では、班ごとにプロジェクトの成果をPowerPointで発表してもらいます。

  • 班ごとに行ってきたプロジェクトの成果を、Power Pointを用いて発表。発表時間9分、質疑応答1分を目安(予定)。
  • 全員で評価し最優秀賞を決定 【何か賞品があるかも!】
  1. 班ごとに、次の項目を相談して、プロジェクトの企画書をMSWordで作成し、6月9日(水)正午までに、梶田まで、メールの添付書類で提出してください。
  2. 企画書に含む項目:
    • プロジェクトタイトル:
    • メンバーの氏名
    • プロジェクトの概要(100文字以上)
    • プロジェクトの魅力(100文字以上)
  3. メールの件名は「プロジェクト企画書」にしてください。
    • 評価の基準:
      プロジェクトの魅力が読み手に伝わるかどうか。タイトル、見出し、内容はそれぞれ読み手に分かりやすいよう、書式(文字の大きさ、書体など)に配慮してください。

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Last-modified: 2015-05-13 (水) 16:43:20 (3472d)