公募書類は以下の通りですが、このページの最後に、実際に西表研究施設で研究を行うにあたっての参考事項を、このページの下部に追加しておきました。興味をお持ちの方はご覧下さい。また、本公募や西表での研究生活、日常生活について質問がありましたら、問い合わせフォーム(http://nesseiken.info/?page_id=45)から問い合わせてください。
以下、本公募の責任者の梶田からの補足および関連情報です。
・このポスドク公募は完全な公募です。公募開始時に応募を想定している具体的な候補者は存在しません。応募書類が集まった後、審査を行います。「適任者が見つかり次第公募を終了する場合がある」となっていますが、「この人以外にあり得ない」というぐらいの適任者で無い限りは、締めきりまでに終了することは無いでしょう。(逆に、我こそはと思う方は、できるだけ早く応募してみて下さい)。
・書面審査にあたっては、公募責任者の梶田が全てに目を通し、順位をつけます。数人の候補者に絞られた段階で、他の教員の意見を聞いた上で最終候補者を決定します。審査観点としては、
プロジェクトの個々の部分を遂行する研究能力やコミュニケーション能力
具体的なスキルの有無と熟練の程度
筆頭著者として年間1本かそれ以上の論文出版を見込めるかどうか
などを用います。最終候補者については、西表研究施設の複数の教員(及び事務員)でSkype等を利用して面接を実施し、職務内容の説明と採用条件の説明を行います。面接は3月5日か6日を予定しています。面接の結果に問題が無く、本人から採用にあたって最終的な意思確認ができ次第、内定決定、採用手続き開始となります。
・平成30年4月からの採用のためには、3月半ばまでには、採用に必要な書類を全て、琉球大学人事課に提出する必要があります(恐らく、3月16日、琉大事務必着)。必要書類は、高校以降の卒業・終了証明書の原本または学位記のコピーと、大学卒業以降の全ての職における在職証明書の原本です。これらの書類を全て揃えるのは相当大変ですので、可能な限りあらかじめ準備されておくと良いでしょう。
・採用された場合は、梶田の研究室に所属して、科研費プロジェクトの研究に従事することになります。この科研費プロジェクトのメンバーは、岩崎貴也さん(神奈川大学)、津田吉晃さん( 筑波大学)、高山浩司(京都大学)さん、陶山佳久さん(東北大学)、赤坂宗光さん(東京農工大学)、渡辺信さん(琉球大学)です。他に海外共同研究者として、Alison Wee Kim Shanさん(広西大学、中国)、Gustavo Maruyama Moriさん(UNESP, Brazil)、Juan Nunez-Farfanさん(UNAM, Mexico)等がいます。採用後は、担当するサブテーマに応じて、これらの方と共同で研究を進めて頂きます。
・ポスドク採用時の規程の任期は1年間ですが、1年ごとに所定の審査を経て最長3年まで更新可となります。審査は、過去の例によりますと、年度末近くに書面(成果報告書)と口頭発表(セミナー)によって実施されます。審査内容は、当該年度の研究成果(論文発表、学会発表、行った研究活動と得られた結果、助成金申請・獲得状況など)と次年度採用更新された場合の研究実施目標と計画などです。
・研究室のメンバーは、現在は、梶田の他、博士課程大学院生兼技術補佐員の山本崇さんのみです。平成30年4月から10ヶ月程度、外国人研究員1名(フィリッピン)が加わる予定です。
・研究室は、西表研究施設の第二研究棟2階にあります。恐らく、居室は、山本さんと共に、ポスドク・学生部屋を使って頂くことになります。現在は山本さん1名しか使っていませんが、平成30年からは、上記外国人研究員や、隣の研究室の内貴章世さん(准教授)が受け入れるポスドクや学生も同じ部屋を使うかもしれません。ビジターもこの部屋を使うことが多いので、賑やかになりそうです。
・受入教員の梶田も、隣の研究室の内貴さんと特命助教の遠山さんも、もともとは植物分類学関係の研究室の出身です。内貴さんの所では西表島のフロラ研究プロジェクトが進行していることもあり(梶田もメンバー)、植物分類学に興味をお持ちの方は、特に居心地良く過ごせるかもしれません。隣の建物には植物標本作製室もあります。
・実験室は同じく第二研究棟2階の梶田研究室の実験室を使います。遠心器、サーマルサイクラー3台、MiliQ、メディカルフリーザー1台、サンプル破砕機、薬用ショーケース1台、各種インキュベータなど、一通りのDNA実験を行える環境が揃っています。シーケンシング解析は、外注するか、Oxford NanporeのMINIONを用います。
・科研費ポスドクなので、基本的には、プロジェクトへの専任義務があります。ただし、時間とエフォートを調整して頂くことで、自ら科研費に応募して頂くことも可能ですし、応募を推奨します。琉球大学では科研費に応募した若手研究者には、次年度の学内研究助成を取得できるチャンス等があります。着任後は10月の科研費申請や、その他の助成金獲得を視野にいれて、準備を行って頂きます。
・ポスドク採用者には、希望に応じて複数メンター制を導入した若手研究者育成プログラムに参加して頂けます。このプログラムには、
IDP(個人成長プラン)とポートフォリオを導入した定期的リフレション
明示的な成果目標設定(例えば、1年に1論文以上)とそれに向けたプラン作り
Wikiによる電子的情報共有による見える化促進とハラスメントフリーな環境作り
論文や申請書の作成の指導と、科研費等の助成金申請のサポート
などを含みます。
・セミナーはこれまで、施設内の4研究室の合同セミナーを、年に数回行ってきました。H30年度は、さらに、いくつかの研究室が集まった定期的セミナーの開催を計画しています。
・西表研究施設では年に何度か、全職員が参加する作業がいくつかあります。年に1度の産業廃棄物の廃棄作業、台風対策のための物の移動や戸締まり・台風後の片付け、西表研究施設主催の実習の手伝いなどです。
・西表研究施設では、昨年まではADSL回線2回線を施設全体で使っていたのですが、接続速度があまりにも遅く業務に支障が生じるため、昨年からモバイルルータを複数台契約して、使い始めました。おかげで、ネットの接続速度が10MB程度までは向上しました(それ以前は数十-数約kb程度の時があったので、1,000倍の向上です)。大量データのやりとりにはまだ支障がありますが、外部サーバを使った仕事も、かなりやりやすくなりました。光回線はまだ島内で整備されておらず、当施設のある西部地区で光回線が使えるのは、早くても、来年度末になりそうです。
・勤務時間週30時間相当ですが、具体的な始業時間・就業時間は相談の上決めます。朝は、通常、職員は8時30分から始業で、9:00までに第一研究棟1階の玄関ホールで顔をあわせ、簡単なミーティングを行います。西表研究施設の業務は天候に左右される場合も多く、朝のミーティングで柔軟に対応します。これとは別に、金曜日に施設ミーティングを開くことが多いです。施設ミーティングの内容は、施設内wikiに記録して、情報共有を行います。
・西表島では賃貸アパート等が少ないです。採用が決まったら、担当教員や事務室メンバーと相談して、早めに探す方が良いです。
・竹富町民になれば、離島住民カードを取得できます。このカード保持者には船や航空機運賃の割引を受けられる場合があります。ここ数年、上原-石垣間は離島割で1340円程度(通常往復 3900円程度)とかなり割引されており、助かっています。
・島内では公共交通機関が少ないので、移動には、自転車、バイク、自家用車などが必要です。冬期は雨が多いので、自家用車の方が便利でしょう。